用語解説 データセンター

データセンターとは

データセンターとは、サーバーを安定して動かすための電力・冷却・通信・セキュリティを備えた専用施設です。コロケーションとクラウドでの使い方の違い、料金の決まり方、主な事業者、米バージニア州で強まる建設規制を解説します。

データセンターとは、サーバーやストレージ、ネットワーク機器をまとめて設置し、止まらずに動かし続けるための専用施設です。この施設が提供するのは「電力」「冷却」「通信回線」「物理セキュリティ」の4つで、クラウドサービスや企業の基幹システム、生成AIの計算基盤はどれもデータセンターの上で動いています。

施設の中には、受電設備、非常用発電機、UPS(無停電電源装置)、空調や冷却塔などの冷却設備、複数の通信事業者の回線を引き込む接続設備、サーバーラックを並べたサーバールームがあります。規模は床面積よりも「何MW(メガワット)の電力を使えるか」で表すことが多いです。AI向けのGPUサーバーは従来のサーバーに比べて1ラックあたりの消費電力と発熱が大きいため、電力と冷却をどう確保するかが施設計画の中心になっています。

エンジニアがデータセンターを使う方法は主に3つです。1つ目はコロケーションで、事業者の施設内のラックや区画を借り、自社のサーバーを持ち込んで運用します。2つ目はホスティング(専用サーバー)で、機器ごと借ります。3つ目はクラウドで、利用者は施設を意識せず、事業者のデータセンターにある計算資源をAPIや管理画面から使います。クラウドの「リージョン」や「アベイラビリティゾーン」の実体は、データセンター群です。

企画・DX担当にとっては、「クラウドで使う」か「コロケーションで自社機器を置く」かが最初の分かれ目です。コロケーションの料金は、ラック単位または契約電力(kW)単位の月額が基本で、そこに回線費用や作業費が加わります。クラウドは、使った計算資源やデータ転送量に応じた従量課金が基本です。金額は立地、電力容量、契約期間によって大きく変わるため、この記事では具体的な数字は載せません。複数社の見積もりを比べるときは、「1kWあたり」「1ラックあたり」に換算してそろえると比べやすくなります。

投資家向けに整理すると、データセンターを作っている事業者は大きく2種類です。1つは自社サービスのために巨大な施設を建てるハイパースケーラー(Amazon Web Services、Microsoft、Googleなど)、もう1つは施設を他社に貸すコロケーション事業者(海外ではEquinixやDigital Realtyなど、国内では通信事業者系やSIer系の事業者)です。事業者どうしは、電力をどれだけ早く確保できるか、用地を押さえられるか、通信の接続性が良いかで競っています。

現在、特に注目されているのが立地をめぐる規制です。データセンターの数が世界で最も多い米バージニア州では、スパンバーガー知事がデータセンター建設を規制する行政命令を出しました。内容は、州の行政部門がデータセンター案件で秘密保持契約(NDA)を結ぶことの禁止、25MW超の施設に対する地元承認の義務付け、大規模施設を許認可迅速化の対象から外すこと、水不足地域での冷却塔の制限、騒音規制の策定を急ぐこと、非常用発電設備の運用の見直しなどです。あわせてAIのリスクを検討するタスクフォースも設けました。同州のデータセンター集積地であるラウドン郡では、理事会が新規申請の一時停止を可決したと報じられています(詳細は明らかになっていません)。ニューヨーク州やペンシルベニア州でも同じような動きがあります。

ここからは筆者の推測です。今後の建設スピードは、電力・水・騒音について地域の合意を得られるかどうかで大きく左右されると考えます。投資を判断する際は、事業者が確保している電力容量に加えて、建設予定地の規制の動きも確認しておくべきです。

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