用語解説 アトラス

Atlasとは

Atlas(アトラス)は、米Boston Dynamicsが開発する人型ロボットです。HyundaiのジョージアMetaplant内に試験拠点が開設され、自動車工場への導入に向けた検証が進んでいます。開発元、用途、料金公表の有無、競合を解説します。

Atlas(アトラス)とは、米Boston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)が開発している人型ロボット(ヒューマノイド)です。現在は、自動車の生産工程に組み込むための試験とデータ収集が、Hyundai Motor Groupの工場の中で進められています。

なお「Atlas」という名前のIT製品やサービスはほかにもあります。この記事で扱うのは、Boston Dynamicsのヒューマノイドです。

Atlas とは:誰が作っているのか

開発しているのはBoston Dynamicsです。同社は米ジョージア州のHyundai Motor Group Metaplant America内に、Robotics Metaplant Application Center(RMAC)を開設しました。RMACは、Atlasを自動車の生産工程に組み込むための恒久的な拠点で、データの収集と試験を担います。

資本関係を見るうえで参考になる動きもあります。ソフトバンクグループは、現代自動車グループからRobotics and AI Institute(RAI)を買収することで合意したと報じられました。RAIは、Boston Dynamicsと同じMarc Raibert氏が創設した研究機関です。買収金額は公表されておらず、米国のCFIUS(対米外国投資委員会)が審査中とされています。ソフトバンクは2017〜2021年にもBoston Dynamicsと関わっていました。ただし、今回の買収がAtlasの開発体制に影響するかどうかは、当サイトでは確認できていません。

何ができるのか:工場での使われ方

RMACには、実物の部品と治具、熟練したパイロットがそろっています。つまりAtlasは、研究室のデモではなく、本物の自動車部品を相手に工程への適用を試す段階にあります。

確認できている事実は「生産工程への組み込みを目的に、データ収集と試験を続けている」ところまでです。どの工程を、どの精度で、どの速度でこなせるかといった性能の数字は、当サイトの報道の範囲には含まれていません。「パイロット」は、ロボットを操作して動作データを集める人員を指すと考えられますが、これは推測です。

使い方・料金:一般に導入できるのか

Atlasは、ユーザー登録すれば使えるソフトウェアのようなものではありません。現時点で当サイトが確認している使われ方は、Hyundaiグループの工場内での試験です。

販売価格、リース料金、外部企業向けの提供プランは、当サイトで確認できる情報の中にはありません。そのため料金は「非公表、または未確認」と扱ってください。導入を検討する事業会社の企画・DX担当者は、まずHyundaiの工場での検証結果、つまりどの作業に適用されたかを追うのが現実的です。

競合と業界の動き

自動車工場へのヒューマノイド導入では、トヨタ自動車の動きが比較対象になります。日経アジアの報道によると、トヨタは工場の作業者に人型ロボット「ELEY」を訓練させています。作業者はロボットの指を模した治具を着けて、細かな手作業を教えます。グループで将来的に40万台のロボット導入を目指し、2028年からは毎年64億2000万ドルを工場の刷新に投じる計画です。中嶋裕樹副社長は、ロボットは人を置き換えるのではなく共存する存在だと強調しています。

AtlasとELEYには共通点があります。どちらも実際の工場で、人がロボットに作業を教えてデータを集めています。両者を競合と位置づけるのは当サイトの見立てであり、各社がそう表明しているわけではありません。投資家にとっての注目点は、自動車メーカーの工場という実際の現場で、どちらが先に本格稼働にたどり着くかです。

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