用語解説 ブイラム

VRAMとは

VRAMとは、GPUが専用に使うメモリーです。容量によって、動かせる生成AIやローカルLLMの大きさが決まります。容量の見積もり方、量子化とユニファイドメモリー、搭載製品の価格の例、主なメーカーと各社のアプローチの違いを解説します。

VRAM(Video RAM)とは、GPU(グラフィックボード)が専用に使うメモリーのことです。描画データや生成AIのモデルの重みを置いておく場所で、この容量によって、GPUが一度に扱える処理の大きさが決まります。

VRAMとは:なぜ容量が重要なのか

PCのメインメモリー(RAM)はCPUが使い、VRAMはGPUが使います。GPUは計算が速くても、処理するデータがVRAMに収まらなければ本来の性能を出せません。モデルによってはそもそも実行できません。

これまではゲームや3DCGのテクスチャを保持する用途が中心でした。いま注目されているのはローカルLLM(手元のPCで動かす大規模言語モデル)のためです。LLMはモデルの重みをVRAMに載せて計算するので、VRAMの容量が「動かせるモデルの大きさ」の上限になります。

使い方:容量の見積もりと量子化

まず確認するのは、使いたいモデルがVRAMに収まるかどうかです。重みのサイズは「パラメーター数 × 1パラメーターあたりのビット数」でおおよそ見積もれます。たとえば270億(27B)パラメーターのモデルなら、8bitで約27GB、4bitで約13.5GBです。これは重みだけの計算上の目安で、実際には推論に使う作業領域も別に必要です。

そこで、精度を少し落として重みを小さくする「量子化」がよく使われます。GIGAZINEは、VRAM 32GBの「Intel Arc Pro B70 Creator 32GB」でQwen3.8 27Bを動かす検証を行いました。結果は4bit量子化版で23.4tok/s、8bit版で15.9tok/sで、いずれも実用的な速度です。

もう一つの方法が、CPUとGPUでメモリーを共有する「ユニファイドメモリー」です。マウスコンピューターの「DAIV CX」はAMD Ryzen AI Max+とRadeon 8060Sを搭載し、128GBのうち最大96GBをVRAMとして割り当てられます。

料金:VRAMはいくらか

VRAMは単体では買えず、増設もできません。グラフィックボードやPCに組み込まれた形で購入します。そのため、VRAMの料金は実質的に「その容量を積んだGPUやPCの価格」です。

当サイトで扱った例では、VRAM 32GBのIntel Arc Pro B70 Creator 32GBが30万円未満でした。ほかの製品の価格は、この記事の情報源には含まれていません。

企画・DX担当者にとっては、クラウドのAIサービスと比べてどうかが判断のポイントになります。東京ゲームショウ2026のデモでは、情報漏えいのリスクや従量課金と対比する形で、ローカルLLMの活用が紹介されました。VRAMの大きいマシンを一度購入すれば、データを社外に出さずにAIを動かせます。

誰が作っているのか:メーカーと競合

VRAMを搭載したGPUを設計・販売している主な企業は、NVIDIA、AMD、Intelです。この記事で取り上げた製品では、Intel Arc Pro B70(製品化はASRock)と、Ryzen AI Max+に統合されたAMDのRadeon 8060Sが当てはまります。グラフィックボードは、GPUメーカーのチップをASRockのようなボードメーカーが製品にするという分業で作られています。

投資家にとってのポイントは、競争の軸が演算性能だけでなく「VRAMの容量と価格」にも広がっていることです。当サイトで扱った2例では、Intelが専用VRAM 32GBのグラボを30万円未満で出し、AMDはユニファイドメモリーから最大96GBをVRAMに回せるようにしています。容量を確保するアプローチが2社で異なります。

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