メモリ不足とは、コンピューターが作業用に使う記憶装置であるメモリ(RAM)の供給が需要に追いつかず、部品の入手難と価格の上昇が起きている状態です。現在は、AI向けの需要がメモリを大量に使い、PCや家電などほかの製品に回る分が足りなくなっている現象として報じられています。
なお、パソコンやスマホに「メモリ不足」と表示されるのは、その端末に積んだメモリの容量が足りないという意味です。本記事で扱う業界全体の供給不足とは別の話です。また、メモリ不足は製品やサービスではないため、「使い方」や「料金プラン」はありません。代わりに、検索した人が知りたいと思われる「何が起きているか」「価格にどう響くか」「いつまで続くか」を整理します。
メモリ不足はなぜ起きているのか
当サイトが扱った報道では、原因はAI向けの需要とされています。NVIDIAがストリーミング端末「Shield TV Pro」を値上げした件について、Tom's Hardwareは、AI向けの需要でメモリが不足していることが理由だと報じました。
AI向けの計算機は大量のメモリを使うため、限られた生産量の多くがそちらに回り、ほかの製品向けが細っているとみられます。ただし、これは報道から読み取った当サイトの推測で、各社の生産配分を示すデータは確認していません。
料金・製品価格への影響
メモリ不足は、メモリを使う最終製品の価格や仕様に表れています。当サイトで確認した例は次の2つです。
1つ目はNVIDIAの「Shield TV Pro」です。発売から7年たつ製品が50%値上げされ、下位モデルの「Shield TV」は販売が打ち切られました。値上げ後の価格は、参照した記事からは分かっていません。
2つ目はNVIDIAの小型AIコンピューター「DGX Spark」です。新たに4999ドルのモデルが発表され、The Registerの見出しによれば、メモリとストレージの容量が半分になっています。見出しはこれを「メモリ不足のさなか」の動きとしており、容量を減らして価格を抑えた構成とみられます。既存モデルとの具体的な差や発売時期は不明です。
この2例から、影響は「値上げ」「容量の削減」「ラインナップの整理」という形で出ていると分かります。発売から何年もたった製品まで値上げされている点が、今回のメモリ不足の特徴です。
誰が作っていて、いつまで続くのか
メモリメーカーのMicronのCEOは、メモリ不足が2028年、あるいはそれ以降まで続く可能性があると警告しました。GIGAZINEの見出しによると、顧客は今年支払った価格よりも「はるかに高い価格」を支払うことになるとの見方も示しています。どの製品の話か、価格がどのくらい上がるかは分かっていません。
投資家の目線で見ると、供給が足りない間はメーカー側が価格を決めやすい局面だと読めます(当サイトの推測)。ただし、Micron以外のメモリメーカーの見通しは参照した記事に含まれておらず、競合の動きは本記事では判断できません。
エンジニア・企画担当はどう備えるか
ここから先は、報道をふまえた当サイトの見方です。
エンジニアは、サーバーや開発用の機材を買うとき、必要なメモリ量を見積もり直し、容量を削ったモデルで足りるかを確認しておくとよいでしょう。DGX Sparkのように、同じ製品名でも構成が違うモデルが出てくるためです。
企画・DXの担当者は、ハードウェアを含む予算を立てるとき、値上がりを前提にしておくのが安全です。MicronのCEOが2028年以降まで続く可能性に触れている以上、短期間で価格が戻ると考えて計画を立てるのはリスクがあります。

