用語解説 エーアイチップ

AIチップとは

AIチップは、AIの学習や推論に必要な大量の計算を速く、少ない電力で処理するための半導体です。GPU・ASIC・NPUの違い、クラウドやオンプレミスでの使い方、料金の考え方、NVIDIAやクラウド事業者、新興企業の競争関係を解説します。

AIチップとは

AIチップとは、AIの学習(トレーニング)や推論に必要な計算を、速く、少ない電力で処理するために作られた半導体の総称です。汎用のCPUと比べて、行列演算のように同じ種類の計算を大量に並列処理することに特化しています。

主な種類は3つです。画像処理向けから発展したGPU、特定の用途に合わせて設計したASIC(GoogleのTPUなど)、スマートフォンやPCに内蔵されるNPUです。データセンターで大規模言語モデルを学習させる場合と、端末上で音声認識や画像処理をする場合とでは、求められる性能や消費電力がまったく違います。そのため、用途に応じてチップを使い分けています。

使い方:何ができるのか

エンジニアがAIチップを使う方法は、主に3つあります。

1つ目は、クラウドの計算インスタンスを借りる方法です。主要なクラウド事業者は、GPUや自社で設計したチップ(Google CloudのTPU、AWSのTrainium・Inferentiaなど)を載せたインスタンスを提供しています。PyTorch、TensorFlow、JAXといったフレームワークから利用します。

2つ目は、GPUサーバーなどを自社で購入して設置するオンプレミス運用です。3つ目は、スマートフォンやPCに内蔵されたNPUを、OSやメーカーが提供する推論用ライブラリから使う方法です。

実務で注意したいのは、チップの性能だけでなく、ソフトウェアが対応しているかどうかです。NVIDIAのGPUはCUDAという開発環境が広く普及しており、既存のモデルやライブラリがそのまま動くことが多いです。一方、新興企業のチップでは、使いたいフレームワークに対応しているか、モデルの移植にどれだけ手間がかかるかを事前に確認する必要があります。

料金の考え方

AIチップの料金は製品・世代・調達方法によって大きく変わるため、この記事では具体的な金額を示しません。事業会社が導入を検討するときは、次の観点で比べるのが現実的です。

- クラウド利用:使った時間に応じて課金されるのが基本です。短期間の検証(PoC)や、需要の増減が大きい用途に向いています - 自社保有:購入費に加えて、電力・冷却・設置スペースのコストがかかります。稼働率が高く、長く使い続ける見込みがある場合に検討対象になります - 学習か推論か:学習は多数のチップを長時間使います。推論は、サービスの利用量に応じてコストが継続的に発生します

最新の価格は、各クラウド事業者の料金ページや販売代理店で確認してください。

誰が作っているのか・競合

データセンター向けでは、NVIDIAのGPUが広く使われており、AMDもGPUで競合しています。さらに、GoogleやAmazonなどのクラウド事業者が自社用のチップを設計し、特定のメーカーへの依存を減らそうとしています。

スタートアップの参入も続いています。Data Center Dynamicsの報道によると、TeslaのAIスーパーコンピューター「Dojo」の元幹部らが創業したDensityAIが、評価額100億ドルを付けました。調達額や製品の詳細はまだ分かっていません。また、AIチップの新興企業Rebellionsがai&と提携し、日本でAIインフラの展開を進めると報じられています。

ここからは当サイトの推測です。新興企業が成功できるかどうかは、チップ単体の性能に加えて、ソフトウェア環境を整えられるか、クラウド事業者やデータセンター運営者といった販売先を確保できるかに左右されると考えています。

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