Strands Agents とは
Strands Agents は、AWS が 2025 年にオープンソースで公開した、AI エージェントを作るための SDK です。モデル・ツール・指示(プロンプト)の 3 つを渡すとエージェントができあがり、どのツールをどの順で呼ぶかは LLM 自身が判断します。この「モデル駆動」の設計が最大の特徴です。
これまでのエージェント開発では、処理の分岐や手順を開発者がワークフローとして細かく書くのが一般的でした。Strands Agents ではその判断をモデルの推論に任せます。開発者はエージェントが使うツール(関数)を用意することに集中できます。
使い方
Python のパッケージとして配布されており、`pip install strands-agents` で導入できます。最小構成は次のとおりです。
```python from strands import Agent agent = Agent(system_prompt="あなたは社内ヘルプデスクです") agent("経費精算の締め日は?") ```
ツールは、Python の関数に `@tool` デコレータを付けて渡します。モデルは Amazon Bedrock が既定で、他社のモデルにも切り替えられます。MCP(Model Context Protocol)のサーバーをツールとしてつなぐこともできます。
何に使えるのか:導入事例
当サイトで報じた事例を紹介します。ドイツの大手企業保険ブローカー MRH Trowe は、Strands Agents、Amazon Bedrock AgentCore、チャット画面の LibreChat を組み合わせ、社員が自分でエージェントを作って使える社内基盤を AWS 上に構築しました。本番稼働から 1 カ月で約 400 人に広がっています。
役割は次のように分かれています。Strands Agents がエージェントの中身(ロジック)、AgentCore がそれを本番で動かす実行基盤、LibreChat が社員が触る画面です。「SDK で作って AgentCore で動かす」は、AWS でエージェントを本番運用するときの典型的な構成の一つだと当サイトは見ています。
料金
Strands Agents はオープンソースなので、SDK そのものにライセンス料はかかりません。費用が発生するのは、呼び出す LLM の利用料と、エージェントを動かすインフラ(AgentCore やサーバーなど)です。
目安になる数字として、MRH Trowe の初月のコストは 1 人あたり約 14 ドルでした。同社はインフラ費をさらに約 40% 削れる見込みとしています。ただし、これは同社の規模と構成での数字です。どのモデルを選ぶか、どれだけ使うかで費用は大きく変わります。
誰が作っていて、競合は何か
開発しているのは AWS で、ソースは GitHub で公開されています。同じ領域の Python 向けフレームワークには、LangChain 系の LangGraph、CrewAI、OpenAI の Agents SDK、Google の Agent Development Kit(ADK)などがあります。
Strands Agents の強みは、Bedrock や AgentCore といった AWS のサービスと組み合わせやすい点です。一方、特定のクラウドに縛られないことを重視するなら、他のフレームワークとも比べて選ぶのがよいでしょう(この段落は当サイトの評価です)。

