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独保険ブローカーMRH Trowe、AWSでAIエージェント基盤。400人に展開

ドイツの大手企業保険ブローカーMRH Troweが、社員が自分でAIエージェントを作って使える基盤をAWS上に構築した。オープンソースのStrands Agents、Amazon Bedrock AgentCore、LibreChatを組み合わせ、本番稼働から1カ月で約400人に広げた。初月のコストは1人あたり約14ドルで、インフラ費はさらに約40%削れる見通しという。すべての処理をフランクフルト・リージョン内で完結させ、金融業界のデータ保護要件を満たした。

ドイツの大手企業保険ブローカーMRH Troweは、社員が自分でAIエージェントを作って使える環境をAWS上に整え、本番稼働から1カ月で約400人に展開した。AWSが公式ブログで事例を公開した。初月のコストは1人あたり約14ドルで、リソースの適正化と時間帯に応じたスケーリングでインフラ費を約40%削減できる見通しだという。

同社はドイツ、スイス、オーストリアで事業を営み、ドイツの保険ブローカーとしては早くからITをすべてクラウドに移していた。社内では生成AIを使いたいという声が広がり、部署ごとに勝手にツールを試す動きも出ていた。顧客や保険のデータが管理されないまま外に出るおそれがある。そこで、技術に詳しくない社員でも手早くエージェントを作れるようにしつつ、すべてを中央管理の環境に収めることを目指した。同社は「どんな質問もまずAIが答え、繰り返し作業はそれを担ってきた本人が自動化する」ことを掲げている。

基盤は3つの技術でできている。エージェントの開発にはオープンソースSDKのStrands Agentsを使い、数行のコードで推論や処理の流れを組める。本番の実行にはAmazon Bedrock AgentCoreを使う。オープンソースのフレームワークに対応し、セッションごとに計算資源とファイルシステムを隔離でき、従量課金でコストが見えやすい点が採用の決め手になった。社員が触れる画面はオープンソースのLibreChatで、認証と権限管理、トークン予算による費用の上限設定、用途に応じたモデルの選択ができる。

最初に本番投入したのは、Microsoft Teamsの会議から議事録を作るエージェントだ。社員がドイツ語で頼むと、カレンダーから会議を探し、文字起こしを取得して、日時、参加者、議題、決定事項、ToDoをまとめる。安全面では2つの工夫がある。1つは、すべての処理をサインインした社員本人の権限で行うこと。LibreChatがMicrosoft Entra IDで認証した本人情報をサーバー側でエージェントに渡すため、他人の予定や記録には届かず、チャット欄から本人情報を書き換えることもできない。もう1つは、エージェント、モデル、データをすべてAWSの欧州(フランクフルト)リージョンに置き、顧客データをドイツ国内にとどめることだ。

規制業界でエージェントを広げるときに問題になるのは、統制、コスト、社員の自由度をどう両立させるかだ。オープンソースの部品とマネージドな実行基盤を組み合わせたこの構成は、その一つの答えになる。

出典 — AWS ML Blog

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