用語解説 エルピーディーディーアールファイブエックス

LPDDR5Xとは

LPDDR5Xは、スマートフォンなど電池で動く機器向けの低消費電力DRAM規格で、LPDDR5の拡張版です。何に使うのか、製品への組み込み方、価格の考え方、中国CXMTの量産開始を含むメーカー動向を整理します。

LPDDR5Xとは

LPDDR5Xは、スマートフォンなど電池で動く機器向けに作られた低消費電力DRAM(作業用メモリ)の規格です。半導体の標準化団体JEDECが定めたLPDDR5の拡張版で、データ転送速度の上限をLPDDR5より引き上げています。

「LP」はLow Powerの略で、PCやサーバー向けのDDR系メモリとは別系統の規格です。単体で買って使うソフトウェアやサービスではなく、機器の中に組み込まれる部品です。

何に使えるのか

主な用途はスマートフォンです。当サイトで扱った中国CXMTの事例でも、最初の製品である24GbのLPDDR5Xは中国の主力スマートフォンに採用され始めたと報じられています。

企画やDXの立場で押さえる点は、LPDDR5Xが「端末の中でどれだけ多くのデータを同時に扱えるか」を決める部品だということです。1チップあたりの容量が増えれば、同じ実装面積でより大きなメモリを積めます。端末側でAI処理を動かす場合、メモリ容量が制約になるため、この容量の伸びは製品仕様に直結します。

使い方(エンジニア向け)

LPDDR5Xは、利用者があとから差し替える部品ではなく、機器メーカーが設計段階で選定し、基板に実装して使うのが基本です。使えるかどうかは、組み合わせるプロセッサー(SoC)がLPDDR5Xに対応しているかで決まります。

そのため、アプリケーション開発者がLPDDR5Xを直接操作する場面はありません。ハードウェア選定の際に、搭載メモリの規格と容量を仕様表で確認する、という関わり方になります。

料金・価格

LPDDR5Xに定価はありません。メモリメーカーと機器メーカーの間で取引される部品で、価格は容量、数量、市況によって変わります。当サイトの記事には具体的な単価の情報がないため、ここでは金額を示しません。

価格を左右する要因は記事から読み取れます。CXMTは第5世代プロセス「G5」で、1枚のウェハーから切り出せるダイの数が倍になると主張しています。ウェハー1枚から取れるチップが増えれば、1チップあたりの製造コストは下がります。ただし、これが販売価格にどう反映されるかは示されていません。

誰が作っているのか、競合は

DRAMは韓国Samsung Electronics、韓国SK hynix、米Micron Technologyの3社が大手で、LPDDR5Xもこの3社が手がけています。ここに中国のCXMTが加わる構図です。

CXMTはG5プロセスでLPDDR5Xの量産を始めました。4重パターニングで活性領域のハーフピッチを11.95nmまで縮め、キャパシターの縦横比は約45対1に達しています。high-k誘電体メタルゲートをDRAM製造に適用した点が鍵で、同社はこれで競合メーカーと肩を並べたと主張しています。

注意点が2つあります。1つは、これが同社自身の主張であり、第三者による性能や歩留まりの検証は当サイトの記事では確認できていないことです。もう1つは、改善幅の数字が「従来品より容量50%増」と「密度が実質2倍」の2通りで伝えられていることです。何を基準にした比較かで数字が変わるため、投資判断に使う場合は一次情報での確認が必要です。

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