DDR5は、パソコンやサーバーのメインメモリに使うDRAM規格の第5世代で、業界団体のJEDECが2020年に標準化した。前の世代のDDR4より転送速度とモジュール1枚あたりの容量を引き上げた規格で、新しいデスクトップPCやデータセンター向けサーバーで採用が進んでいる。
DDR5とは:DDR4から何が変わったか
DDR5に固有の変更点は主に4つある。1つ目は、1枚のモジュールの中を独立した2つの32ビットのサブチャネルに分けたこと。小さなアクセスを同時に処理しやすくなり、コア数の多いCPUで効率が上がる。2つ目は、電源を管理するIC(PMIC)をマザーボードからモジュールの上に移したこと。電圧をモジュールごとに細かく制御できる。
3つ目は、チップの中で誤りを訂正するオンダイECCを標準で載せたこと。これはチップ内部の誤りを直すための仕組みで、サーバー向けのECCメモリが担うシステム全体の誤り訂正とは別物である。4つ目として、規格上の速度は4800MT/sから始まる。
DDR5の使い方:導入前に確認すること
DDR4とDDR5は端子の切り欠きの位置が違い、互いのスロットに挿せない。使えるかどうかはCPUとマザーボードの対応で決まる。たとえばAMDのAM5プラットフォームはDDR5専用で、Intelの第12世代CoreはDDR4とDDR5の両方に対応するが、マザーボードはどちらか一方にしか対応しない。
モジュールにはいくつか種類がある。デスクトップPC向けのUDIMM、ノートPC向けのSO-DIMM、サーバー向けのRDIMMで、RDIMMはUDIMMのスロットでは使えない。製品に表示された定格以上の速度で動かすには、BIOSでXMP(Intel)やEXPO(AMD)のプロファイルを有効にする。
DDR5の料金・価格の動き
この記事では個別製品の価格は示さない。容量・速度・購入時期によって大きく変わるためである。
価格の流れを知る材料として、アナリストのKurnal Insightsが出した試算がある。AI需要で高騰しているDRAMは、シリコン1mm²あたりの価値でTSMCの最先端ロジック用ウェハー(N2)を上回るという内容だ。N2のウェハー価格を3万ドルと仮定すると1mm²あたり約0.424ドル、DRAMを1ギガビット1.50ドルと仮定して1b世代の密度で換算すると0.654ドルになる。どちらの数字も仮定に基づく試算で、実際の取引価格ではない。
サーバー向けにDDR5を調達する企画・DX担当者は、価格が変わり続けることを前提に、予算と調達時期を決めておく必要がある(これは上の試算から導いた当サイトの見方)。
DDR5を作っているメーカーと競合
DRAMを作る大手は、Samsung、SKハイニックス、Micronの3社である。そこに中国のCXMTが加わろうとしている。
CXMTは、4F2設計を採用したデータセンター向けDDR5 RDIMMを2026年末までに発売すると発表した。4F2は、従来主流の6F2より1セルあたりの面積を小さくする設計で、同じ面積により多くのセルを詰め込める。GIGAZINEによると、この発表はブレイクスルーと受け止められ、競合するMicron、SKハイニックス、Samsungの株価が急落した。
当サイトが確認できた範囲では、CXMT製品の容量、速度、量産規模はまだ明らかになっていない。投資家にとって注目すべき点は、CXMTが量産と品質で大手3社に並べるかどうかであり、続報を確かめる必要がある。



