APN(オールフォトニクス・ネットワーク)とは、通信経路の端から端までを光信号のまま伝送するネットワークです。途中で電気信号に変換する処理を減らして低遅延・大容量・低消費電力を狙う技術で、離れたデータセンター同士を結ぶ用途で実証が進んでいます。
なお、スマートフォンの設定画面に出てくる「APN」はアクセスポイント名(Access Point Name)という別の用語です。この記事では光ネットワークのAPNを扱います。
APNとは何か、誰が作っているのか
APNは、NTTが提唱する次世代通信基盤の構想「IOWN」の中核要素として広まった用語です。ただし、当サイトが確認している事例ではNTT以外の事業者も使っています。
KDDI、モルゲンロット、トークネットの3社は、APNで2拠点を結ぶ分散型データセンターの実証を9月に始めました。また、NECなど5社による、APNを活用した地域分散型データセンターの実証が、総務省の令和8年度「ワット・ビット連携関連実証」に採択されています。こちらは見出し以外の材料が入手できておらず、NEC以外の参加企業、実証の場所や期間、検証項目は確認できていません。
競合にあたる技術や事業者の比較は、当サイトの記事からは確認できていません。
APNで何ができるのか
当サイトが把握している用途は、いずれも「データセンターの分散」です。GPUを1か所に集めるのではなく、離れた拠点に置いてAPNで結び、1つの計算基盤のように使えるかを確かめています。
KDDIら3社の実証では、大阪堺データセンターと多摩ネットワークセンターをAPNで接続し、GPU仮想化基盤と組み合わせます。対象はリテールロボットで、離れた拠点のGPUを使ってフィジカルAIの分散学習と遠隔推論ができるかを検証します。
ここから先は推測です。ロボットの推論のように応答時間が効く処理を遠隔のGPUに任せられるなら、電力や用地に余裕のある地域にGPUを置く選択肢が広がります。総務省の実証名にある「ワット・ビット連携」は、電力と通信のインフラを連携させて整備する考え方で、この方向と重なります。
APNの使い方
確認できている事例では、APNは拠点と拠点を結ぶ回線として使われています。アプリケーションが直接呼び出す機能ではなく、GPU仮想化基盤などの上位の仕組みと組み合わせて使う構成です。
エンジニアにとっての論点は、遠隔拠点のGPUを学習と推論の両方で実用的に扱えるかどうかです。現時点では実証の段階であり、結果は確認できていません。事業会社の企画・DX担当にとっては、GPUを自社拠点の近くに置かなくてもよくなるかが判断材料になります。
APNの料金
APNの料金は、当サイトの記事からは確認できていません。上記2件はいずれも実証であり、商用サービスとしての価格、契約単位、提供エリアは材料に含まれていません。導入を検討する場合は、各通信事業者の公表情報を直接確認してください。

