AI-OCRとは
AI-OCRとは、機械学習を使って紙やPDF、画像に写った文字を読み取り、データに変換する技術やサービスのことです。従来のOCRは文字を認識するだけでした。AI-OCRは、読み取った内容を「請求書番号」「金額」「支払期日」のような項目に振り分けて出力するところまで担うのが一般的です。
従来のOCRは、読み取る位置や書式を帳票ごとに事前に設定する必要がありました。AI-OCRは、取引先ごとにレイアウトが違う請求書や手書きの書類にも対応しやすいとされています。ただし、読み取り精度は製品や書類の状態によって変わります。導入前に自社の書類で試すのが確実です。
使い方:何に使えるのか
AI-OCRは単体で使うより、業務の流れに組み込んで使う例が目立ちます。
経理での例として、あいち銀行とLayerXは2026年9月24日に提携を発表しました。あいち銀行の法人決済プラットフォーム「Arch Bridge」に、LayerXの「バクラク請求書受取」を組み込み、10月1日から提供します。AI-OCRで請求書をデータ化し、申請・承認、支払予定の管理、振込データの連携までをつなぎます。導入前の業務整理(BPR)は銀行が支援します。
保険での例として、INTSIGは保険会社の申込、保全、保険金請求の業務を、日本での最初の対象に定めています。
エンジニア向け:どう組み込むのか
基本の流れは次のとおりです。書類の画像やPDFを入力し、項目ごとに構造化したデータを受け取り、会計や基幹などの後続システムへ渡します。これはAI-OCRの一般的な構成を説明したもので、特定の製品の仕様ではありません。
設計で考えておきたいのは、読み間違いへの対処です。金額や口座番号のように誤りが許されない項目は、人が確認する工程を残すのが現実的です。どこまで自動化し、どこで人が確認するかを決めておく必要があります。
料金
当サイトが参照した記事には、AI-OCRの具体的な価格は出ていません。Arch Bridgeへの組み込み提供についても、料金は確認できていません。
AI-OCRの料金はサービスごとに体系が異なります。見積もりを取るときは、次の点を先に整理しておくと比較しやすくなります。
- 月に何枚読み取るか - 請求書、申込書など、何種類の書類を扱うか - 読み取ったあと、承認や振込のような後続業務まで含めるか
誰が作っているのか・競合の動き
当サイトの記事で確認できる提供企業は2社で、アプローチが異なります。
- **LayerX**:経理SaaS「バクラク」の中にAI-OCRを組み込み、請求書の受け取りから支払いまでを一つのサービスで提供しています。今回は銀行のプラットフォームが販売経路になっています。 - **INTSIG**:2006年創業のAI企業で、日本でDocument Intelligence事業を本格展開します。文書の読み取りに加え、分類、情報抽出、複数書類の照合、リスク検知まで担う「審査するAI」を掲げています。9月29日には、SIerやISVを対象としたパートナー向けイベントを東京で開きます。
以下は当サイトの見立てです。競争の軸は、文字をどれだけ正確に読めるかから、読み取ったあとの承認、照合、審査をどこまで自動化できるかに移りつつあるとみています。

