用語解説 タワーセミコンダクター

Tower Semiconductorとは

Tower Semiconductorは、イスラエルに本社を置く半導体の受託製造(ファウンドリ)企業。アナログや光半導体など特殊なプロセスが得意。日本政府と共同で総額約40億ドルを投資し、国内拠点で光半導体の生産を拡大する計画を発表した。

Tower Semiconductor(タワーセミコンダクター)は、イスラエルに本社を置く半導体の受託製造(ファウンドリ)企業です。自社ブランドのチップは売らず、顧客が設計したチップをウェハーとして製造して納めます。

Tower Semiconductor とは

ファウンドリというと最先端ロジックの TSMC が有名です。Tower は最先端の微細化を競う会社ではありません。アナログ、RF(高周波)、電源用、イメージセンサーなど、特殊なプロセスを使う半導体の製造を主力にしています(一般に「スペシャルティ・ファウンドリ」と呼ばれる業態)。

最近、特に力を入れているのがシリコンフォトニクス(光半導体)です。光半導体は電気信号の代わりに光で情報を送る部品で、データセンター内の高速通信での需要が伸びている分野です。

日本への40億ドル投資の中身

当サイトの既報では、Tower と日本政府が Tower の国内拠点に総額約40億ドルを共同で投資します。内訳は Tower が30億ドル、経済産業省が10億ドルです。計画の中身は次のとおりです。

- 新潟県新井の休止中の200mm工場を、300mmのシリコンフォトニクス・光パッケージング拠点に転換する - 富山県魚津市の300mm工場を増産する - 魚津の隣接地に300mm工場を新しく建てる

見出しでは「光半導体を40倍」とされています。ただし、何年までに何と比べて40倍なのかは、抜粋から読み取れません。英 Data Center Dynamics の報道では、大規模な光チップ拠点を設けることは伝えられています。一方で、所在地・稼働時期・生産品目の詳細は「現時点で分かっていない」とされています。報道によって詳しさに差があるため、正確な日程は今後の公式発表で確かめる必要があります。

使い方(エンジニア・企画向け)

Tower は、クラウドサービスのように申し込めばすぐ使えるものではありません。ファウンドリの一般的な流れは次のとおりです。

1. ファウンドリが提供するプロセスの設計ルール・設計キット(PDK)を使ってチップを設計する 2. 試作のウェハーを製造してもらう 3. 評価を経て量産に移る

Tower もこの形で取引する前提で考えてよいでしょう。取引の主な相手は、チップを設計するファブレス企業や半導体メーカーです。

事業会社が自社製品に光通信やセンサーを組み込みたい場合、Tower に直接発注することは通常ありません。Tower を使うチップメーカーの部品を買うのが現実的です。

料金

Tower は料金表を公開していません。ファウンドリの価格は、プロセスの種類、ウェハー枚数、試作か量産か、といった条件ごとの個別見積もりが一般的です。そのため、本記事では具体的な金額は示しません。

誰が作っていて、競合はどこか(投資家向け)

Tower はイスラエル企業で、米ナスダックに上場しています(ティッカーは TSEM)。2022年に米 Intel が買収で合意しましたが、規制当局の承認を得られず、2023年に買収は撤回されました。

競合は、同じく特殊プロセスを扱う GlobalFoundries や UMC などのファウンドリです。シリコンフォトニクスでは TSMC なども製造能力の強化を進めています。今回の日本投資は、光半導体の量産能力で先手を取る狙いだと筆者は見ています(推測)。経済産業省が10億ドルを負担する点は事実で、国の半導体政策に組み込まれた案件であることも分かります。

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