用語解説 ぶどまり

歩留まりとは

歩留まりとは、投入した原料や製品のうち良品として取れた割合のこと。計算式、半導体での意味、食品・採用での使い方、コストとの関係、投資家が見るべき点を解説する。

歩留まり(ぶどまり)とは、投入した原料や作った製品の数のうち、良品として使えたものの割合のことです。計算式は「良品の数 ÷ 投入した数 × 100(%)」で、100個作って90個が良品なら歩留まりは90%です。

歩留まりとは:半導体での意味

歩留まりという言葉がいちばん重く使われるのは半導体です。1枚のシリコンウェハから多数のチップ(ダイ)を切り出し、そのうち検査に合格したチップの割合を歩留まりと呼びます。

歩留まりを下げる主な原因は、ウェハ上の微細な欠陥(ゴミや傷、材料の不純物)です。欠陥は面積あたりにある程度の確率で発生するため、チップの面積が大きいほど1個に欠陥が含まれる確率が上がり、歩留まりは下がります。大型のAI向けチップや立ち上げたばかりの新しいプロセスで歩留まりが話題になりやすいのはこのためです。

歩留まりの使い方:製造業以外の用例

製造業の外でも同じ考え方で使います。

- 食品・飲食:仕入れた食材の重さのうち、皮や骨を除いて実際に使えた割合(例:魚1kgから可食部が600gなら歩留まり60%) - 採用:内定を出した人のうち、実際に入社した人の割合を「内定歩留まり」と呼ぶ - 営業・マーケティング:問い合わせから商談、成約へと進む各段階の通過率を指すことがある

どの場合も「入れた量に対して、最後に残った量はどれだけか」を表す点は共通です。

料金・コストとの関係

歩留まりは用語であり、製品やサービスではないため料金はありません。ただし、製品1個あたりのコストに直接効く指標です。

半導体の場合、ウェハ1枚を加工する費用は良品がいくつ取れても基本的に変わりません。そのため歩留まりが90%から45%に半分になると、良品1個あたりの製造コストはほぼ2倍になります。事業会社の企画・DX担当にとっては、検査データの分析や不良原因の特定によって歩留まりを数ポイント上げることが、そのまま原価低減につながるテーマになります。

投資家が見るポイント:誰が作り、どこが競うか

歩留まりは特定の企業が作る製品ではありません。一方で、ファウンドリー(受託製造会社)の競争力を左右する指標であり、新しいプロセスを早く高い歩留まりで立ち上げられるかどうかが受注に影響します。ただし、各社が歩留まりの具体的な数値を公式に開示することは少なく、報道で出てくる数字の多くは非公式の推計である点に注意が必要です。

当サイトの記事では、関連する動きとして次の2件を扱っています。

- NVIDIAが半導体の主要企業と、設計から製造までAIを活用する「AI定義型ファブ」を進めると発表しました。現時点で確認できているのはニュースリリースの見出しだけで、歩留まり改善が具体的な目的に含まれるかどうかは分かっていません。 - 富士フイルムは、インドのTata Electronicsが建設中の前工程工場の近くに半導体材料工場を建てると発表し、材料の安定供給と品質管理の支援を掲げています。材料の品質は欠陥の発生に関わるため、歩留まりにも影響しうると考えられます(これは当サイトの推測で、発表に歩留まりへの言及はありません)。

歩留まりに関する記事

3 件