液浸冷却とは、サーバーなどの電子機器を、電気を通さない液体に丸ごと沈めて冷やす方式です。空気の代わりに液体が部品から直接熱を奪うため、発熱の大きいAI向けサーバーなどを高密度に設置する手段になります。
液浸冷却とは:仕組みと種類
方式は大きく2種類あります。単相式は、液体を液体のまま循環させ、温まった液をポンプで熱交換器へ送って冷やします。二相式は、発熱部で液体を沸騰させ、蒸気を凝縮器で液体に戻す過程で熱を運びます。
空冷との違いは、機器を冷やす媒体が空気ではなく液体である点です。空冷用のファンは原則不要になります。CPUやGPUに金属板を当てて冷却水を流すコールドプレート式(直接液冷)は、特定の部品だけを冷やします。液浸は基板全体を液体に浸す点が異なります。
何に使えるのか
向いているのは、発熱が大きく、空冷では設置密度を上げにくい計算基盤です。
国内の事例では、WOODMANが液浸冷却を活用した「閉域エッジ基盤」のPoC(概念実証)を実施しました。サイバー攻撃や外部サービスの障害が起きても、現場の重要業務を止めないことを掲げています。ただし、当サイトで確認できたのはプレスリリースの見出しの範囲です。実施場所、規模、機器、検証結果、製品化の予定は分かっていません。液浸冷却がこの目的にどう寄与するのかも不明です。
使い方:導入の流れ
既存のサーバーをそのまま液に入れられるとは限りません。一般的には次の順で検討します。
まず、機器が液浸に対応しているか、メーカーの保証が続くかを確認します。ファンの扱いや、部材と液体の相性も確認が必要です。次に、液槽、熱交換設備、床の耐荷重、液の漏えい対策を設計します。さらに、機器を液から引き上げて部品を交換するなど、空冷とは異なる保守手順を決めます。これらを小規模なPoCで検証してから、本番導入を判断します。
部材の評価では、液浸環境でTIM(チップと放熱部品の間に挟む熱伝導材料)の熱抵抗をリアルタイムに評価する技術が確立されたと、ASCII.jpが報じています。開発元や精度は見出しからは分かりません。
料金:何に費用がかかるのか
液浸冷却の料金について、当サイトは相場を示せる情報を持っていません。規模や構成で変わるため、金額は見積もりで確認してください。
費用の項目は、液槽、冷却液、熱交換設備、機器の改修、設置工事、液の補充を含む保守です。比較するときは、これらの導入費用と、空調電力の削減見込みを自社の条件で試算します。
誰が作っているのか:企業と競合
関わる事業者は、冷却液、液槽や冷却設備、サーバー、TIMなどの部材、運用基盤に分かれます。当サイトの記事で確認できる企業はPoCを実施したWOODMANのみで、市場シェアや主要メーカーの順位は示せません。
競合する技術は、空冷とコールドプレート式です。投資判断では、どの工程の企業なのかと、PoCか商用かを分けて見ることが重要です。

