LLM(Large Language Model、大規模言語モデル)は、大量のテキストで学習し、入力された文章に続く語を少しずつ予測して文章を生成するAIモデルです。ChatGPT、Claude、Geminiといった対話型AIの中核にある技術で、質問への回答、要約、翻訳、プログラムのコード生成などを1つのモデルでこなします。
LLMとは:仕組みと弱点
LLMが出力するのは、確率的に「次に来そうな語」を選び続けてできた文字列です。データベースから事実を引き出しているわけではありません。もっともらしい文章を組み立てているだけなので、誤った内容を自信ありげに出力する「ハルシネーション(幻覚)」が仕組みの上で起こります。
当サイトが報じた事例では、米特殊作戦軍のアナリストがチャットボットの助けを借りて作成した情報報告が「完全に誤り」でした。それにもかかわらず、米軍は中国船への臨検の準備を進めていたとCNNが報じています。報告は、船が核兵器計画の部品を運んでいるとしていました。積み荷の誤認が判明したのは、航空支援付きの作戦の直前です。LLMの出力を人が確かめないまま意思決定に使うと、このような事態が起こり得ます。
LLMの使い方:何ができるのか
エンジニアがLLMを使う方法は、主に2つあります。1つはブラウザやアプリのチャット画面から直接使う方法です。もう1つはAPI経由で呼び出し、自社のシステムに組み込む方法です。APIでは、指示文(プロンプト)と処理させたいテキストを送ると、生成された文章が返ってきます。代表的な構成は、社内文書を検索してその内容をもとに回答させる「RAG」と、外部のツールや関数をLLMに呼び出させる構成です。
企画・DXの担当者にとって導入しやすい用途は、問い合わせへの回答の下書き、議事録の要約、文書の分類、社内ナレッジの検索などです。上の事例が示すとおり出力には誤りが混じるため、最終的な確認を人が行う業務から始めるのが現実的です(これは当サイトの見解です)。
LLMの料金:何で決まるのか
APIの料金は、処理するテキスト量(トークン数)に応じた従量課金が一般的です。多くの場合、入力と出力で単価が分かれています。具体的な単価はモデルや時期によって変わるため、本記事には数値を載せていません。各社の公式料金ページで確認してください。チャットサービスには、個人向け・法人向けの月額プランが用意されているのが一般的です。
トークン課金なので、出力が長いほど、また呼び出し回数が多いほど費用は増えます。性能の高い大型モデルほど単価も高くなる傾向があります。
誰が作っているのか:主要企業と競合
主な開発企業は、OpenAI(GPTシリーズ、ChatGPT)、Anthropic(Claude)、Google(Gemini)、Meta(Llama)です。Llamaはモデルの重みが公開されており、自社のサーバーで動かすこともできます。各社は性能、価格、API提供の条件で競っています。
LLMそのものと競合する方式も出てきています。ChatGPTの開発に関わった元OpenAI研究者Diogo Almeida氏のスタートアップTypeSafeは、LLMではない新モデル「Jev」を公開しました。Jevは文章ではなく確率(キャリブレーションされた判断)を出力します。同社は、出力をあらかじめ定義するため幻覚を起こさないと説明しています。料金は出力トークンが無料で、入力に対して10億単位で課金します。分類のような自動化の用途で、速さと低コストが評価されています。汎用のLLMですべてを処理するのではなく、用途によって別の方式と使い分ける流れが広がる可能性があります(これは推測です)。

