用語解説 ジーニアック

GENIACとは

GENIACは、経済産業省とNEDOが進める国内の生成AI基盤モデル開発の支援事業です。ツールではなく、企業が応募して採択される枠組みです。KDDIとRLWRLDやHighlandersのロボット基盤モデルなどの採択事例を使って、中身、関わり方、料金の考え方を解説します。

GENIACは、経済産業省とNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が進める、国内の生成AI基盤モデル開発を支援する事業です。ソフトウェアやクラウドサービスの名前ではありません。企業や研究機関が応募し、採択されて開発を進める支援プログラムの名前です。

GENIACとは:誰が進めている何の事業か

GENIACは「Generative AI Accelerator Challenge」の略です。基盤モデルとは、大量のデータで学習し、さまざまな用途に使い回せるAIモデルのことです。GENIACは、この基盤モデルを国内で開発する取り組みを後押しします。運営しているのは経済産業省とNEDOで、民間企業が売っている製品ではありません。

当サイトで報じた範囲では、言語モデルだけでなく「ロボット基盤モデル」の研究開発事業も対象です。現実世界で動く機械を制御するAI、いわゆるフィジカルAIの開発でも採択が出ています。

何ができるのか:採択事例から見る中身

KDDIと韓国のフィジカルAI企業RLWRLDは、小売物流向けのロボット基盤モデルの研究開発で採択されました。KDDI本社内のローソン店舗で、作業者目線の映像を約3500時間集めます。その映像を使い、バックヤードから棚までの品出しを自動化するモデルを作ります。KDDIは2030年までに、接客を伴わない付帯作業をロボットに任せることを目指しています。

ロボットベンチャーのHighlandersも、ロボット基盤モデルの研究開発事業に採択されました。物体との接触状態を推定しながら動きを生成する、国産のフィジカルAI基盤モデルを開発します。このモデルは、三菱自動車工業と量産化を進める自社のヒューマノイド「N」に載せます。そのうえで、自動車製造の位置合わせ工程で性能を検証します。

2つの事例には共通点があります。現場で集めたデータで特定の業務向けの基盤モデルを作り、実際の店舗や工場で試すことです。

使い方:「利用する」のではなく「応募して採択される」

GENIACは、APIやアプリのように誰でもすぐ使えるものではありません。GENIACという名前のモデルを呼び出して使うこともできません。関わる方法は、公募に応募し、採択されて開発を進めることです。

事業会社の企画・DX担当者にとっての接点は2つあります。1つは、自社で基盤モデルを作るときの支援の選択肢にすることです。もう1つは、採択された企業と組み、自社の現場を検証の場として提供することです。KDDIとローソン店舗の事例は後者に近い形です。応募資格や公募の時期は本記事の参考情報に含まれていないため、経産省・NEDOの公式発表で確認してください。

料金:利用料金はかからない

GENIACは国の支援事業なので、利用者が払う「料金」はありません。一方、採択された側が受ける支援の内容や金額は、参考にした記事に書かれていないため、本記事では扱いません。金額が必要な場合は、公募要領などの一次情報を確認してください。

投資家向け:誰が作っていて、競合は何か

GENIACの作り手は、経産省とNEDOです。投資の観点で見るべきなのは、採択された企業の側です。ロボット分野では、KDDI(パートナーはRLWRLD)とHighlandersが採択されています。Highlandersは、三菱自動車工業と量産化を進めているという事業面の裏付けもあります。

GENIACは国の事業なので、普通の意味での「競合製品」はありません。採択企業どうしの競合関係や、海外の似たプログラムとの比較は、参考情報に含まれていないため書いていません。採択は技術力を判断する材料の一つにはなりますが、事業の成功を保証するものではありません(ここは筆者の見解です)。

GENIACに関する記事

2 件