用語解説 ジーディーディーアールセブン

GDDR7とは

GDDR7は、GPUに載せる高速グラフィックスメモリーの規格で、GDDR6の後継です。この記事では、3値信号PAM3による高速化、GPUを選ぶときの見方、価格の考え方、メーカー3社と競合するHBMとの違いを解説します。

GDDR7(ジーディーディーアール・セブン)は、GPU(グラフィックスカード)に載せる高速なグラフィックス向けDRAMの規格で、GDDR6の後継です。業界団体のJEDECが2024年に標準化し、NVIDIAのGeForce RTX 50シリーズなどで使われ始めています。

GDDR7とは:GDDR6から何が変わったか

いちばん大きく変わったのは信号の送り方です。GDDR6はデータを0と1の2値(NRZ)で送ります。GDDR7は3値のPAM3を使うため、同じクロックでもより多くのデータを送れます。その結果、1ピンあたりの転送速度が上がりました。初期の製品は28〜32Gbps程度で、多くが14〜20Gbpsだった通常のGDDR6を大きく上回ります。

チップ1枚の容量は、2GB(16Gbit)と3GB(24Gbit)が中心です。3GBは中途半端な数字に見えますが、GPUとメモリーをつなぐ線の数(バス幅)を変えずに、載せられるメモリーの総量を1.5倍にできるという利点があります。

何ができるのか・使い方

GDDR7のチップを単体で買って使うことはありません。GPUやAIアクセラレーターの基板に取り付けられた状態で使います。エンジニアにとっての「使い方」は、GPUを選ぶときにメモリーの帯域(1秒あたりに読み書きできるデータ量)と容量を確認することです。

効果が大きいのは、メモリー帯域で性能が決まる処理です。高解像度のゲームに加えて、大規模言語モデル(LLM)の推論が当てはまります。LLMは文字(トークン)を1つ生成するたびにモデルの重みをメモリーから読み出すため、帯域が生成速度に直結します。たとえばRTX 5090は32GBのGDDR7を512bitバスで接続し、帯域は約1.8TB/sです。

料金・価格の目安

GDDR7チップ単体の価格は公表されていません。企画・DXの担当者が実際に支払うのはGPU製品やクラウドのGPUインスタンスの料金で、メモリー代はその中に含まれています。

今後の価格を考えるうえでは、作る側の動きが参考になります。当サイトで紹介した米Tom's Hardwareの報道によると、Micronはゲーミング向けGPUに使われる2GBのGDDR7チップの生産を終え、利益率の高い3GB品などAI向けの高密度品に軸足を移します。AI向けが優先される流れが続けば、一般消費者向けGPUの供給や価格に影響が出る可能性があります(これは当サイトの推測です)。

誰が作っているのか・競合は

GDDR7を量産しているDRAMメーカーは、Samsung、SK hynix、Micronの3社です。採用しているGPUメーカーの代表はNVIDIAです。

競合する技術はHBM(High Bandwidth Memory)です。HBMはメモリーチップを積み重ねてGPUのすぐ隣に置くことで、GDDR7を大きく上回る帯域を出せます。ただし製造が複雑で、コストも高くなります。そのため、データセンター向けの最上位AIアクセラレーターにはHBMを、ゲーム用GPUやコストを抑えたい推論用・ワークステーション用GPUにはGDDR7を、という使い分けになっています。

次にGDDR7の需要が大きく動くのは、NVIDIAが次世代の一般消費者向けGPUを出すときです。ただ、リーカーのKopite7Kimi氏は、RTX 60シリーズが2028年まで登場しない可能性をXで指摘しています。これは公式発表ではなく、確認されていない観測情報です。

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