AIファクトリーとは、AIの学習や推論を大規模に行うための計算基盤(データセンター)を、「AIを生み出す工場」に見立てた呼び方です。特定の1製品の名前ではありません。計算設備、設備同士をつなぐネットワーク部品、建屋や電源までを含めた設備全体を指す言葉として、各社の発表で使われています。
AIファクトリーとは何を指すのか
当サイトで取り上げた発表を見ると、この言葉が指す範囲が分かります。
NVIDIAとCiscoは「AIファクトリーの拡張に向けた」プラガブル(抜き差しできる)光モジュールの新しいフォームファクター(形状規格)を発表しました。大規模なAI計算基盤の内部で機器同士をつなぐ光接続部品です。ここからは、ネットワーク部品もAIファクトリーの構成要素とみなされていることが分かります。
Vertivは「AIファクトリーの構築期間を短縮する」モジュラーデータセンターを紹介しました(クラウド Watch報道)。建屋や設備そのものもAIファクトリーという言葉の範囲に入っています。
つまりAIファクトリーは、部品から施設までを含む「AI専用の計算工場」という枠組みの名前です。なお、同じ名称のサービスや社内プロジェクトが別に存在する可能性はあります。本記事はAI計算基盤の意味に限って扱います。
使い方:誰がどう関わるのか
AIファクトリーは、インストールして使うソフトウェアではありません。関わり方は立場によって変わります。
エンジニアの場合は、構築や運用に関わるか、その上で動くAIを開発するかのどちらかになります。構築側では、今回のような部品の新しい形状規格が機器選定に影響する可能性があります。ただし、NVIDIAとCiscoの光モジュールについて、速度、消費電力、対応製品、提供時期は今回の材料からは確認できていません。
企画・DXの担当者にとっては、自社でAIファクトリーを持つのか、他社の基盤を利用するのかが論点になります。Vertivのモジュラーデータセンターは、AI向けの設備を短期間で立ち上げたい需要に応える製品とみられます(これは当サイトの推測です)。どの程度短縮できるのか、どの電力規模に対応するのかは確認できていません。
料金:いくらかかるのか
AIファクトリーという言葉自体に「料金」はありません。単一の商品ではないため、費用は計算設備、ネットワーク部品、建屋・電源設備といった構成要素ごとに積み上がります。
今回の材料には、光モジュールにもモジュラーデータセンターにも価格の情報がありません。そのため本記事では金額を示しません。検討する場合は、構成要素ごとにベンダーへ個別に確認する必要があります。
誰が作っているのか・競合は
当サイトの記事で確認できる担い手は、次の3社です。
- NVIDIA:AIファクトリーの拡張に向けた光モジュール規格をCiscoと共同で発表 - Cisco:同じ光モジュール規格の共同発表者 - Vertiv:AIファクトリー向けのモジュラーデータセンターを紹介
3社は同じ製品で競っているわけではありません。接続部品、建屋・設備と、それぞれ異なる層を担っています。投資の観点では、「AIファクトリーのどの層を押さえている会社か」で見るのが分かりやすい整理です。NVIDIAとCiscoが形状規格を共同で打ち出した点は、部品の標準化を主導する動きと読めます(これは当サイトの解釈です)。
各層で競合する企業については、今回の材料に情報がないため、ここでは挙げません。









