エージェント型AIとは、人が与えた目標に向けて、AIが自分で手順を考え、ツールやアプリを操作しながら作業を最後まで進めるAIのことです。質問に1回答えて終わる対話型AIとは違い、「調べる→実行する→結果を確かめる→次の手を決める」という流れを自分で繰り返します。
エージェント型AIとは:対話型AIとの違い
中核には大規模言語モデル(LLM)がありますが、LLM単体ではエージェントになりません。エージェント型AIは、LLMに次の3つを組み合わせた仕組みです。
- ツール呼び出し:検索、ファイル操作、コード実行、外部APIなどを使う - 計画とループ:目標を小さな手順に分け、実行結果を見ながら計画を直す - 権限:ユーザーのアカウントやデータにアクセスし、本人の代わりに操作する
対話型AIの目的が「答えを返す」ことなのに対し、エージェント型AIの目的は「作業を終わらせる」ことです。
何ができるのか・使い方
エンジニア向けの代表的な用途は開発支援です。コードを読み、修正し、テストを実行して結果を確かめるところまでを任せます。業務部門では、問い合わせ対応、データの集計とレポート作成、複数のSaaSにまたがる定型作業の自動化などに使えます。
使い方の基本は3つです。(1)ゴールと完了条件を具体的に書く。(2)AIに触らせてよいツールとデータの範囲を決める。(3)重要な操作の前に人が確認する段階を残す。渡す権限が広いほど作業は速くなりますが、誤操作や情報流出が起きたときの被害も大きくなります。
このリスクは実際に起きています。当サイトで報じたとおり、Metaの新しいAIエージェント「Muse」に深刻なゼロデイ脆弱性が見つかりました。攻撃者がMuseをだまし、ユーザーの音声入力データやアクセストークンを攻撃者のサーバーに送らせる恐れがありました。Metaは急きょ修正パッチを配布しています。発見者はセキュリティ研究者のPatrick Wardle氏です。AIに「操作する権限」を渡す以上、これはエージェント型AIならではの論点です。
料金の考え方
料金は製品ごとに異なるため、本記事では具体的な金額は扱いません。導入前に確認すべきなのは課金の単位で、1人あたり月額の定額課金か、処理量に応じた従量課金かという点です。エージェントは1つの依頼の中で何度もモデルを呼び出すため、同じ依頼でも対話型AIより処理量が増えやすくなります。これは仕組みから導いた一般的な傾向です。個別製品の実際の金額は、各社の公式価格表で確かめる必要があります。
誰が作っているのか・競合
エージェント型AIの提供元は大きく2つに分かれます。LLMを開発する企業が自社モデルで提供するものと、既存の業務ソフトウェア企業が自社製品に組み込むものです。
前者の例がMetaの「Muse」です。後者の例として、Autodeskは業界別の3つのクラウド「Forma」「Fusion」「Flow」でエージェント型AIの機能を強化すると発表しました。ただし、追加される機能の中身、提供時期、価格はまだ明らかになっていません。
投資の観点では、汎用エージェントを出すモデル開発企業と、設計・製造など特定業界のデータや業務の流れを押さえたソフトウェア企業が、競争するのか提携するのかが注目点になると当サイトは考えています(これは推測です)。











