用語解説 スリーディーナンド

3D NANDとは

3D NANDは、メモリセルを縦方向に積み重ねて容量を増やすNAND型フラッシュメモリです。SSDやスマートフォンの記憶装置に使われています。この記事では、仕組み、製品の選び方、コストの考え方、主要メーカーと最近の動き(Micronの400層超の世代、CXMTが参入を計画しているとの報道)をまとめます。

3D NANDとは

3D NANDは、データを記憶するセルを縦方向に何層も積み重ねて作るNAND型フラッシュメモリです。平らな面の上で微細化するのではなく、層を重ねることで1チップあたりの容量を増やします。

SSD、スマートフォンの内蔵ストレージ、SDカード、USBメモリなどに使われています。現在のフラッシュストレージの主流はこの方式です。世代の進み具合は「何層積んだか」で語られることが多く、当サイトの記事でも、Micronの次世代品が400層を超えると報じられています。

仕組みと平面NANDとの違い

従来の平面(2D)NANDは、セルを小さくして密度を上げてきました。しかしセルが小さくなるほど、蓄えられる電子の数が減り、隣のセルとの干渉も強くなります。このため、微細化による大容量化は難しくなりました。3D NANDでは、積層した膜に縦穴を開け、その穴に沿ってセルを並べます。こうして面積あたりの密度を「高さ方向」で稼ぎます。

1つのセルに何ビット記録するかで種類が分かれます。SLC(1ビット)、MLC(2ビット)、TLC(3ビット)、QLC(4ビット)です。ビット数が多いほど安く大容量にできますが、書き換えに耐えられる回数と書き込み速度は不利になります。

使い方:エンジニアが見るべき点

アプリケーション開発者が3D NANDを直接操作することは、ほとんどありません。実際に扱うのは、3D NANDを使ったSSDなどの製品です。製品を選ぶときに確認する点は次のとおりです。

- セルの種類(TLCかQLCか):書き込みが多い用途ではQLCの耐久性に注意する - 耐久性の指標:TBW(保証期間中に書き込める総量)やDWPD(1日に全容量を何回書き換えられるか) - インターフェース:SSD全体の速度はPCIe/NVMeなどの接続方式とコントローラーで決まる

NANDチップの仕様に出てくる「MT/s」は、チップとコントローラーの間の転送速度です。たとえばMicronの「G11」は5,400MT/sをうたっています。この数字はSSDの読み書き速度そのものではありません。

料金・コストの考え方

3D NANDそのものに、一般向けの「料金表」はありません。メーカーはSSDメーカーやスマートフォンメーカーにチップやウェハーを売っています。価格は需給で大きく動き、公開もされていません。この記事では具体的な価格は示しません。

企画・DXの担当者が比べるのは、SSDやストレージ製品の容量あたりの単価と、耐久性に見合った用途かどうかです。仕組みから言えるのは、層数が増えてビット密度が上がるほど、ビットあたりのコストが下がりやすいということです。ただし、実際の販売価格はそれだけでは決まりません。

誰が作っているのか(主要メーカーと競合)

3D NANDを作っているのは、Samsung、SK hynix(Solidigmを含む)、キオクシア、サンディスク、Micron、中国のYMTC(長江存儲)などです。キオクシアとサンディスクは製造で協業しています。

各社は、層数、ビット密度、インターフェース速度で競っています。当サイトの記事によると、MicronのG11は400層を超え、密度は1平方ミリあたり42ギガビットで、ビット密度を2倍に高めるとしています。量産の時期や、どの世代と比べて2倍なのかは、見出しからは分かりません。

新しく参入する動きもあります。中国のDRAM最大手CXMTが、北京近郊の第2工場に3D NANDの研究開発ラインを置く計画だと報じられました。情報源は関係者3人で、CXMTは正式に認めていません。工場はまだ着工しておらず、稼働は少なくとも2〜3年先とみられています。実現すれば、YMTCと同じ領域で競うことになります。

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