用語解説 ていちえん

低遅延とは

低遅延とは、データを送ってから届く、または応答が返るまでの待ち時間が短いこと。帯域との違い、遅延の内訳、測り方と下げ方、料金の見方、東京-大阪間の低遅延サービスを予定するColtの動きまでを解説する。

低遅延とは、データを送ってから相手に届く、または応答が返ってくるまでの待ち時間が短いことです。回線の太さを表す帯域とは別の指標で、通常はミリ秒(ms)単位で測ります。

低遅延とは:帯域との違いと遅延の内訳

帯域は一度に運べる量、遅延は届くまでの時間です。帯域を増やしても、遠い相手との遅延はほとんど縮みません。

遅延は主に4つの合計です。距離で決まる伝搬遅延、機器が処理する処理遅延、混雑時に順番を待つキューイング遅延、データを回線へ送り出す送出遅延です。

物理的な下限を決めるのは伝搬遅延です。光ファイバー中の光は毎秒およそ20万kmで進むため、1msで約200km進みます。東京と大阪を直線約400kmとすると、片道約2ms、往復約4msが下限です。これは筆者の概算で、実際の経路は直線より長く、機器の処理も加わるため、実測値はこれより大きくなります。

使い方:測り方と下げ方

まず往復時間(RTT)を測ります。手軽な方法は ping です。平均値だけでなく、p99 のような遅い側の値も確認します。利用者の体感や取引の失敗は、平均より遅い側の値に左右されるからです。

下げる手段は原因によって変わります。

- 距離が原因:サーバーを利用者の近くに置く、キャッシュやCDNを使う、より短い経路の回線を選ぶ - 混雑が原因:帯域を増やす、優先制御を入れる、バッファの滞留を減らす - 処理が原因:通信の往復回数を減らす、アプリケーションやデータベースの処理を見直す

距離が原因のときは、帯域を増やしても効果はほとんど出ません。

何に使えるのか:用途

低遅延が効くのは、待ち時間がそのまま価値や品質に響く領域です。Web会議、オンラインゲーム、遠隔操作、金融取引、データセンター間の同期が代表例です。一方、夜間バッチやバックアップでは、遅延より帯域のほうが重要になることが多くあります。

企画の段階では、「何msなら業務が成り立つか」を先に決めます。この目標がないと、必要以上に高価な回線を選びがちです。

料金:いくらかかるのか

低遅延に共通の相場はありません。低遅延は単体の製品名ではなく、回線、拠点、機器の組み合わせで実現する性能だからです。費用は区間、帯域、冗長構成、契約条件によって変わるため、見積もりでは目標の遅延値と、その保証の有無を確認してください。

誰が提供しているのか:国内の動き

提供者は回線事業者、データセンター事業者、クラウド、CDNなど多層にわたり、競合も層ごとに異なります。

国内の具体例では、ASCII.jpの報道によると、Coltが日本国内のバックボーンネットワークを大幅に増強し、東京と大阪を低遅延で結ぶサービスを提供する予定です。2大拠点間の通信は、データセンター間の連携や金融取引で需要が大きい区間です。増強の規模、提供開始時期、料金は当サイトでは確認できていません。

関連する動きとして、ITmedia エンタープライズによれば、日立など5社が横浜と北九州をつなぎ、AIデータセンターの電力問題への答えとして「計算処理の引っ越し」を実証します。詳しい内容は確認できていません。拠点間で処理を移すなら遅延が設計条件の一つになる、というのは筆者の推測です。

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