自律飛行とは、航空機やドローンが人間の操縦に頼らず、搭載したソフトウェアとセンサーの判断で離陸から着陸までを行う飛行のことです。特定の製品名ではなく技術の呼び名で、輸送用の有人機を改造したものから軍用の無人戦闘機まで、さまざまな機体で開発が進んでいます。
自律飛行とは:自動操縦・遠隔操縦との違い
一般的な区別として、遠隔操縦は地上の人間が無線で機体を操作します。従来の自動操縦(オートパイロット)は、高度や針路を保つといった決まった作業を受け持つもので、離着陸や状況の判断はパイロットが担います。
自律飛行では、離着陸・地上走行・航法といった判断を伴う工程まで機体が自分で行います。人間の役割は、操縦することから、監視や指示を出すことに変わります。
何ができるのか:2つの実例
1つ目はJoby Aviationの事例です。同社の発表によると、自律飛行技術を載せた改造セスナ・キャラバンが、人間のパイロットの操縦なしで全米3,100マイル超を横断しました。離着陸、地上走行、航法まで自律で行ったとしています。
2つ目は軍用の事例です。Tom's Hardwareの報道によると、F-22ラプターの操縦士が、模擬戦闘の中で「僚機」となる無人の戦闘ドローンを指揮することに成功しました。出典URLの表記では、機体はAndurilのYFQ-44A Furyです。試験の日時や場所、どのように指揮したかは明らかになっていません。
2つの例を比べると、自律飛行には少なくとも2つの形があることが分かります。機体が単独で全行程をこなす形(Joby)と、有人機の指揮を受けながら自分で動く形(Anduril)です。
使い方:何に使えるのか
Jobyは用途として、医療搬送、災害対応、防衛物流を挙げています。パイロットを確保しにくい場面や、長い距離を運ぶ場面が想定されています。軍用では、無人機を戦闘機部隊に組み込む米空軍の計画があり、今回の試験はその計画を前進させるものとされています。
エンジニアや企画担当者が気になる点、つまり一般企業がこの技術をサービスやAPIとして使えるのか、開発キットが公開されているのかについては、当サイトで確認できている情報はありません。現時点の事例は、メーカーや軍による試験・発表の段階のものです。
料金:いくらかかるのか
自律飛行は製品名ではないため、決まった料金はありません。上の2つの事例でも、価格や契約の条件は公表されていません。
ここからは推測ですが、導入を検討する場合、費用は機体そのものだけでなく、運航の体制や安全性の証明にかかる手間にも左右されるはずです。今の段階では、各メーカーに個別に問い合わせて確認することになります。
誰が作っているのか:主なプレイヤーと競合
Joby Aviationは電動エアタクシー(eVTOL)で知られる会社で、自律飛行技術をeVTOLに続く第二の事業として進めています。国防総省との関係も深めています。Andurilは、F-22の僚機として試験されたYFQ-44A Furyを手がけています。
投資の観点では、民間の輸送から出発したJobyが防衛物流に手を広げており、防衛向けの無人機を作るAndurilと同じ領域で重なり始めています。ただし、両社が実際に同じ契約を争っているかどうかは確認できておらず、これは推測です。

