用語解説 ちくでんち

蓄電池とは

蓄電池とは、電気を化学エネルギーとして蓄え、必要なときに取り出せる充電式の電池です。容量(kWh)と出力(kW)の見方、データセンターでの使い方、ガスタービンとのコスト比較、Ambrosia EnergyやON.energyなどの動きを解説します。

蓄電池とは、電気を化学エネルギーとして蓄え、必要なときに電気として取り出せる電池のことです。一度で使い切る乾電池(一次電池)とは違い、充電と放電を繰り返せる「二次電池」を指します。

蓄電池とは:種類と性能の見方

蓄電池には、リチウムイオン電池、鉛蓄電池、NAS(ナトリウム硫黄)電池、レドックスフロー電池などの種類があります。種類によって、エネルギー密度、寿命、安全性、設置しやすさが変わります。

性能を比べるときは、2つの数字を分けて見る必要があります。

- 容量(kWh)… どれだけの電気を貯められるか - 出力(kW)… 一度にどれだけの電力を出せるか

容量が大きくても出力が小さければ、大きな負荷を一気に支えることはできません。逆に出力が大きくても容量が小さければ、すぐに空になります。用途に合わせて、この2つの組み合わせを選びます。

蓄電池の使い方:何ができるのか

代表的な使い方は次の4つです。

- ピークシフト … 電気の安い時間帯や余っている時間帯に充電し、需要が高い時間帯に放電する - 非常用電源 … 停電時に電力を供給する。UPS(無停電電源装置)もこの一種 - 再生可能エネルギーの平準化 … 太陽光や風力のように出力が変わる電源の電気を貯めておき、ならして使う - 負荷変動の吸収 … 急な消費電力の増減を電池側で受け止め、電源や電力網への負担を減らす

エンジニアの立場で設計に関わるなら、電池本体のほかに、直流と交流を変換するパワーコンディショナ(PCS)と、電池の状態を監視・制御するBMS(バッテリーマネジメントシステム)も含めて全体を設計する必要があります。また、充放電を繰り返すと容量は少しずつ減っていきます。何回の充放電でどこまで劣化するか(サイクル寿命)も選定の前提になります。

最近、注目されている用途がデータセンターです。当サイトで扱った記事では、ON.energyがAI向けUPSを使って、AIの処理に伴う電力負荷の急な変動を抑える手法を語っています。具体的な製品や数値はまだ分かっていません。

蓄電池の料金・コスト

本記事では価格の目安を示しません。容量、出力、電池の種類、PCSや工事を含むかどうかで金額が大きく変わり、確かな数字を確認できていないためです。見積もりを比べるときは、総額だけでなく「容量1kWhあたりの価格」と「サイクル寿命」をそろえて比べるのが基本です。

事業での使い方に関わる動きとして、TechCrunchは、蓄電池のコストが多くのデータセンターで使われている天然ガスタービンを下回るようになったと報じました。AIの普及で電力需要が急増したデータセンターでは、送電網からの電力だけでは足りず、敷地内でガスタービンを動かして発電する例が増えています。ただし、比較の前提や金額は見出しからは分かりません。そのため、すべての条件で蓄電池のほうが安いとまでは言えません。

蓄電池を作っている企業と競合

投資の観点では、データセンター向けの需要が新しい成長分野になりつつあります。TechCrunchによると、Ambrosia Energyは米テキサス州に年10GWh規模の電池工場を建設し、電力網につながずに動かすオフグリッド型のデータセンター向けに電池を生産します。電池の種類、投資額、稼働の時期、供給先は現時点で分かっていません。

データセンターの電源として見たとき、蓄電池と競合するのは同業の電池メーカーだけではありません。天然ガスタービンなどの自家発電設備とも競合します。上記のコスト比較の報道が条件付きでも正しければ、ガスタービンが担ってきた役割の一部を蓄電池が置き換える可能性があります。ただし、これは現時点の報道から考えた推測です。

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