高温水冷却とは
高温水冷却とは、冷たい水ではなく 40°C を超えるような温かい水で、サーバーの GPU などの発熱部品を冷やす方式です。冷水を作るための冷凍機の負担を減らし、データセンターの消費電力を抑えることを狙っています。
直近では日立製作所が、40°C 超の高温水で冷却できる GPU 向けコールドプレートを開発したと MONOist とクラウド Watch が報じています。コールドプレートは GPU に密着させる金属の部品で、内部に流した水が熱を受け取って運び出します。
何ができるのか(エンジニア向け)
一般的な水冷では、冷凍機で水を低い温度まで冷やしてから循環させます。この冷凍機が電力を多く消費します。戻ってきた水を冷やし直す温度を高く設定できれば、冷凍機を動かす時間や負荷を減らせます。ここからは当サイトの推測ですが、外気や冷却塔だけで水を冷やせる期間が長くなるのが利点です。
難しいのは、温かい水でも GPU から十分に熱を奪える構造にすることです。温度差が小さいほど熱を移しにくいので、コールドプレート側の熱の伝わりやすさが性能を左右します。日立の発表はこの部分の改良とみられます。ただし、報道の見出しと要旨からは、冷却性能の数値、対応する GPU の型番、水温の上限は分かりません。
使い方・何に使えるのか(企画・DX 向け)
想定される用途は、AI の学習や推論に使う GPU サーバーを多数並べるデータセンターです。AI の利用が広がるにつれて、サーバーの発熱とデータセンターの電力消費が増えています。高温水冷却は、この電力のうち冷却に使う分を減らす手段です。
導入するのは、主にデータセンター事業者や、自社で GPU サーバーを運用する企業になります。コールドプレートを取り付けるには、サーバーに水を送る配管や設備が必要です。そのため、既存の空冷のデータセンターにそのまま入れられるかは分かりません。導入の手順や必要な設備も、現時点の報道からは確認できません。
料金・製品化の時期
価格は公表されていません。製品化の時期も、参照した報道からは分かりません。
費用対効果を判断するには、従来の方式と比べて電力をどれだけ減らせるかが要になります。しかし、その削減幅も報道では示されていません。検討する場合は、日立の正式な発表や製品情報を待つ必要があります。
誰が作っているのか・競合(投資家向け)
当サイトが確認した範囲で、高温水冷却の GPU 用コールドプレートを開発したと報じられているのは日立製作所です。
競合として考えられるのは、GPU サーバー向けの液冷部品や液冷システムを手がける企業全般です。ただし、高温水に対応した製品同士を比べられる情報は、当サイトの手元にありません。そのため、具体的な企業名や性能の比較はここでは挙げません。注目すべき点は、冷却性能の数値、従来方式に比べた電力の削減幅、製品化の時期の 3 つです。これらが公表されれば、競合とどう違うのかを判断しやすくなります。

