用語解説 シングルサインオン

シングルサインオンとは

シングルサインオン(SSO)は、1回のログインで複数のサービスを使えるようにする認証の仕組みです。この記事では、SAMLやOIDCで動く仕組み、導入の流れ、料金の決まり方、主な提供企業、実際にあった漏えい事例から分かる注意点を説明します。

シングルサインオン(SSO)とは、1回のログインで複数のWebサービスや社内システムを使えるようにする認証の仕組みです。最初に一度だけ本人確認を受ければ、その後はサービスごとにIDとパスワードを入れ直す必要がありません。

シングルサインオンの仕組み

SSOでは2つの役割が出てきます。ログインをまとめて引き受ける「IdP(アイデンティティプロバイダ)」と、実際に使う業務アプリなどの「SP(サービスプロバイダ)」です。利用者がSPにアクセスすると、SPは自分ではパスワードを確かめず、本人確認をIdPに任せます。IdPは認証に成功すると「確認済み」という証明(アサーションやトークン)をSPに渡し、SPはそれを信用してログインさせます。

このやり取りの標準方式は、主にSAML 2.0とOpenID Connect(OIDC)の2つです。企業向けSaaSではSAMLが、スマートフォンアプリや「Googleでログイン」のような一般向けの場面ではOIDCがよく使われます。

何ができるのか・使い方

エンジニアの作業としては、IdPに連携先のアプリを登録し、SP側にIdPの情報(メタデータ、証明書、クライアントIDなど)を設定するのが基本です。自社でWebアプリを作る場合は、ログイン処理を自分で書かずに、OIDCのライブラリを使ってIdPに認証を任せる形になります。

企画・DXの立場から見た効果は3つあります。1つ目は、社員が覚えるパスワードが減ること。2つ目は、退職者のアカウントをIdPで止めれば、連携しているサービスへのアクセスもまとめて止められること。3つ目は、多要素認証(MFA)をIdP側で全員に一括で必須にできることです。使っているSaaSが多い企業ほど、管理の手間が減ります。

料金

SSOは単体の製品として売られるより、IDaaS(クラウド型のID管理サービス)の機能の一つとして提供されるのが一般的です。料金は利用者1人あたりの月額課金が多く、連携できるアプリの数、MFA、アクセス制御などの機能の違いでプランが分かれます。金額はサービスやプランごとに違い、改定されることもあるため、ここでは数字を挙げません。必要な機能がどのプランに入っているかを、各社の公式料金ページで確認してください。

主な提供企業と競合

海外ではOkta、Microsoft(Entra ID)、Googleが代表的です。国内では「GMOトラスト・ログイン」やHENNGEの「HENNGE One」などがあります。Microsoft 365やGoogle Workspaceを使っている企業は、すでに契約しているID基盤のSSO機能を使うこともあり、専業のIDaaSと競合しています。

導入時の注意点

SSOは入口を1か所にまとめる仕組みです。そのため、IdPが破られたり設定を誤ったりすると、連携しているすべてのサービスに影響が広がります。

当サイトでも関連する事例を報じています。ID管理サービス「GMOトラスト・ログイン」では、設定の不備で、本来は非公開であるべきファイルが公開領域に置かれ、2492社・4万5030人分の情報が漏えいしました(INTERNET Watch報道)。漏えいした項目や公開されていた期間は、確認できた範囲では分かっていません。また2026年7月には、セキュリティ企業Hacktron AIの研究者が、OpenAIの開発者フォーラムにあった脆弱性からSSOの穴を突き、従業員のChatGPT/Codexアカウントの乗っ取りに至ったと報告しています。

SSOを入れるときは、IdPでのMFA必須化、管理者権限を必要な人だけに絞ること、連携設定の定期的な見直しをあわせて行う必要があります。

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