光トランシーバーとは、ネットワーク機器の電気信号を光信号に変換して光ファイバーへ送り出し、受け取った光信号を電気信号に戻す部品です。多くはスイッチやサーバーの差し込み口(ポート)に挿して使うモジュール型で、「プラガブル(着脱式)」とも呼ばれます。
光トランシーバーとは:何ができるのか
銅線ケーブルは、伝送速度が上がるほど信号を届けられる距離が短くなります。光トランシーバーを使えば、データセンター内のラック間から建物間、さらに長い距離まで、高速な通信を光ファイバーで行えます。
1 つのモジュールの中には、光を出す送信部(レーザー)、光を受ける受信部(フォトダイオード)、信号を処理する回路が入っています。高速な製品ほど、光チップ(光半導体)の性能が通信速度と消費電力を左右します。
光トランシーバーの使い方:選ぶときに確認する点
エンジニアが選ぶときは、主に次の 4 点を確認します。
1 つ目はフォームファクタ(外形の規格)です。SFP 系、QSFP 系、OSFP などがあり、機器のポートと形が合わなければ挿せません。
2 つ目は通信速度です。同じ外形でも対応する速度は製品ごとに違うため、機器側の対応速度と合わせます。
3 つ目は伝送距離と光ファイバーの種類です。短距離ではマルチモード、長距離ではシングルモードのファイバーを使うのが一般的で、両端のモジュールの波長や方式もそろえる必要があります。
4 つ目は機器との互換性です。ネットワーク機器のメーカーは、自社純正品や動作確認済みの製品の使用を推奨しています。サードパーティ製を使う場合は、機器側で認識されるかを事前に確認してください。
光トランシーバーの料金:価格を決める要因
本記事では具体的な価格を示しません。製品や購入経路によって大きく異なり、ここで正確な金額を挙げられないためです。
価格に影響する要因として、通信速度(高速ほど高価になりやすい)、伝送距離(長距離用ほど部品が高度になる)、純正品かサードパーティ製か、購入数量が挙げられます。企画・DX の担当者が予算を見積もるときは、ポート数×本数(ケーブルの両端で 2 個必要)で必要数を数え、機器ベンダーや販売代理店から見積もりを取るのが確実です。
誰が作っているのか:メーカーと競争の構図
光トランシーバーには、光チップを作る半導体メーカー、モジュールを組み立てるメーカー、それを自社ブランドで販売するネットワーク機器メーカーと、複数の層があります。
当サイトの報道では、Cisco と NVIDIA が提携し、従来より大容量で高速なプラガブル製品を共同開発すると The Register が伝えています。ただし確認できているのは見出しのみで、速度・仕様・提供時期は分かっていません。
光チップの供給側では、イスラエルの半導体受託製造 Tower Semiconductor が、40 億ドル規模の日本関連投資の一環として大規模な光チップ拠点を設けると Data Center Dynamics が報じています。所在地や稼働時期、生産品目は未公表です。
以下は筆者の推測です。AI 向けデータセンターで機器間の通信量が増えていることが、ネットワーク機器大手や半導体メーカーが光の領域へ投資を広げている背景にあると考えられます。投資家の視点では、モジュールの組み立てだけでなく、光チップの製造能力を誰が握るかが競争の焦点になりつつあります。

