用語解説 シノプシス

Synopsysとは

Synopsys(シノプシス)は、半導体チップの設計に使うソフトウェア(EDA)と、設計済みの回路部品(IP)を提供する米国企業。何ができるのか、どう導入するのか、料金、競合、AmazonやTSMCとの最近の動きを整理する。

Synopsys(シノプシス)は、半導体チップを設計するためのソフトウェア「EDA(Electronic Design Automation)」と、チップに組み込む設計済みの回路部品「IP」を提供する米国の企業です。半導体メーカーやクラウド事業者が自社チップを作るときに使う「設計の道具と部品」の供給元だと考えると分かりやすいです。

Synopsys とは

本社は米カリフォルニア州で、米Nasdaqに上場しています(ティッカーはSNPS)。EDA分野では米Cadence Design Systems、独Siemens(旧Mentor Graphics)と並ぶ大手の1社です。

注意点として、以前Synopsysが持っていたソフトウェアのセキュリティ検査事業(Coverity、Black Duckなど)は2024年に売却され、現在は別会社のBlack Duckが扱っています。「Synopsys」で検索してセキュリティツールの情報が出てくるのはこのためです。

何ができるのか・使い方

エンジニア向けには、チップ設計の各工程に対応するツール群を提供しています。具体的には、回路の動作をコードで記述して検証するシミュレーション、記述した回路を実際の論理回路に変換する論理合成、トランジスタを配置して配線するレイアウト、信号が時間内に届くかを確かめるタイミング解析などです。

もう一つの柱がIPです。USBやPCIe、メモリとの接続部分など、多くのチップで共通して必要になる回路をSynopsysが設計済みの部品として提供し、顧客はそれを自社チップに組み込みます。すべてを一から設計する手間を省けます。

個人が気軽に試せるソフトではなく、半導体企業が社内の設計チームで導入する業務用ツールです。

料金

料金表は公開されていません。EDAツールもIPも、企業ごとの個別契約で提供されています。参考として、当サイトの報道では、AmazonとSynopsysが10億ドル規模の複数年にわたるIP契約を結んだと伝えられています。ただし、この金額は大口顧客との特別な例で、一般的な導入費用の目安にはなりません。

事業会社の企画・DX担当の立場では、自社で直接契約するよりも、カスタムチップを設計する半導体企業や設計受託会社を通じて関わる形になると考えられます(これは推測です)。

最近の動き:AIによる設計の自動化

当サイトで報じた最近の動きは、どれもAIで設計を自動化する方向のものです。

- Amazon:カスタムチップ開発向けに、10億ドル規模の複数年IP契約を結んだ(Data Center Dynamics報道)。対象となるIPの種類やチップは確認できていません。 - TSMC:最先端プロセス「A14」の設計にエージェントAIを取り入れるため、Synopsysと協業する(EE Times Japan報道)。 - Autopilot:AIで半導体チップを自律的に開発するためのプラットフォームを発表しました。あわせて「AgentEngineer」という新しいプラットフォームを2026年末までに一般提供する見通しです(Tom's Hardware報道)。

いずれも入手できたのは見出しのみで、機能の詳細や価格、効果を示す数値は確認できていません。

投資家の視点で見ると、Synopsysは、大手クラウド事業者が自社でチップを作る動きと、最先端の製造プロセスの両方に、ツールとIPを納める立場にあります。

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