PostgreSQL(ポストグレスキューエル、略称 Postgres)は、オープンソースのリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)です。表形式のデータを SQL で保存・検索・更新するためのソフトウェアで、ライセンス料なしで商用利用もできます。
PostgreSQL とは:誰が作っているのか
起源はカリフォルニア大学バークレー校の研究プロジェクト「POSTGRES」です。現在は特定の企業ではなく、PostgreSQL Global Development Group というコミュニティが開発しています。ライセンスは BSD 系の寛容な「PostgreSQL License」です。改変や再配布をしてもソースコードの公開義務はありません。
特定のベンダーが所有していないため、クラウド事業者やデータベース専業企業は PostgreSQL を土台にして、自社サービスを作っています。投資家の視点では、Postgres そのものではなく、Postgres の上に何を載せて収益化するかが競争の軸になっています。
何ができるのか:PostgreSQL 固有の特徴
- **トランザクションの信頼性**:ACID 特性に準拠しているため、金額や在庫のように整合性が重要な業務システムに使えます - **JSON の扱い**:JSONB 型を使うと、構造が決まっていないデータもリレーショナルなデータと同じ DB に格納し、インデックスを張って検索できます - **拡張機能**:機能を後から追加できる仕組みがあります。地理空間データを扱う PostGIS や、AI のベクトル検索に使う pgvector が代表例です - **SQL 標準への準拠度が高い**:ウィンドウ関数や CTE(WITH 句)など、分析向けの SQL も書けます
企画・DX の担当者向けに言うと、顧客管理、EC、社内システムのデータ基盤、位置情報サービス、生成 AI の検索(RAG)用データベースまで、1 つの製品でカバーできる範囲が広いのが特徴です。
使い方:導入の選択肢
使い方は大きく 2 通りです。
1. **自分でインストールする**:Linux・macOS・Windows 向けのパッケージや Docker イメージがあります。起動したら `psql` コマンドや GUI ツールで接続し、`CREATE TABLE` や `SELECT` などの SQL を実行します。 2. **マネージドサービスを使う**:Amazon RDS / Aurora、Google Cloud の Cloud SQL / AlloyDB、Azure Database for PostgreSQL などです。バックアップや冗長化をクラウド事業者に任せられます。
料金:いくらかかるのか
PostgreSQL 本体は無料です。実際にかかる費用は、自前運用ならサーバー代と運用の人件費、マネージドサービスならインスタンスの性能・ストレージ・通信量に応じた従量課金です。価格は事業者やリージョン、構成によって違うため、この記事では金額を載せていません。各社の料金ページで見積もってください。
競合と最近の動き
主な競合は、オープンソースの MySQL、商用の Oracle Database と Microsoft SQL Server です。
当サイトで報じた動きとしては、PlanetScale が PostgreSQL のシャーディング(データの分割)を自動化するサービス「Neki」をプレビュー公開しました。同社の発表では、約 1.4PB のデータベースを 512 シャードに分けたベンチマークで、最大 1 億 1875 万 QPS に達したとしています。また、Google Cloud は AI エージェントから来る大量のアクセスを本番のプライマリ DB から切り離して処理する「PostgreSQL for agents in AlloyDB」を発表しました。ただし、提供時期や料金はまだ確認できていません。どちらも、Postgres の規模拡張や AI 対応を巡る競争を示す事例です。

