PC出荷台数とは、PCメーカーが一定期間に流通業者や販売店へ送り出したPCの台数を、調査会社などが集計・推計した統計です。消費者が実際に買った台数(販売台数)ではありません。メーカーから出ていった台数を数える点に、この指標の特徴があります。
PC出荷台数とは何か
PC出荷台数は、主に四半期ごとに「全体の台数」「前年同期比の増減率」「メーカー別のシェアと順位」「地域別の動き」の形で発表されます。世界全体の数字は、IDCやGartnerといった民間の調査会社が出すのが一般的です。日本国内については、業界団体のJEITA(電子情報技術産業協会)も参加企業の出荷実績を公表しています。
注意したいのは、数字が調査会社ごとの推計だという点です。どの製品をPCに含めるかといった定義や集計の方法は会社によって違うため、同じ期間でも数字は一致しません。報道で見かける数字は、どの調査会社の集計かを確認してから比べる必要があります。
使い方:何の判断材料になるのか
エンジニアや情報システム部門にとっては、PCや部品の需給を知る手がかりになります。出荷が落ち込む局面では、価格や在庫、調達時期が変わりやすくなります。
事業会社の企画・DX担当者は、PC更新の時期や予算を決める材料にできます。当サイトで紹介した報道では、PCの価格上昇が個人と企業の需要を押し下げたとされており、更新計画を立てる企業にとっては調達時期を見直すきっかけになります。
投資家は、メーカー別のシェアの変化から、どこが市場を取り、どこが取られているかを読み取ります。また、PCの出荷は半導体やメモリーなどの部品需要とつながっているため、サプライチェーン全体の景気を測る目安としても使われます。
料金:無料で見られる範囲と有料の範囲
PC出荷台数そのものは製品ではないので、決まった「料金」はありません。調査会社は四半期ごとの速報値(全体の台数、増減率、上位メーカーの順位など)をプレスリリースとして無料で公開することが多く、報道で目にするのは主にこの速報値です。
機種別・地域別の細かいデータや予測は、調査会社の有料レポートやサービスとして提供されます。価格は調査会社や契約内容によって違い、一般には公開されていないことが多いため、ここでは金額を書きません。必要な場合は各社に問い合わせることになります。
最近の動き:20%前後の大幅減
当サイトで取り上げた報道では、世界のPC出荷台数の大きな落ち込みが続けて伝えられています。CNET Japanは、7〜9月期の世界PC出荷台数が前年同期比で21%減ったと報じ、その要因としてメモリー価格の高騰によるPCの値上がりと、買い替え需要の冷え込みを挙げました。The Registerも、価格上昇が需要を直撃して出荷台数が20%落ち込んだと伝えています。
どちらの報道も、見出しからはどの調査会社の集計か、出荷台数の実数がいくつかまでは分かりません。21%と20%の差も、集計した会社や対象期間の違いによる可能性があります(これは推測です)。AI向けの需要でメモリーなどの部品が不足し、それがPCの価格に響いているという見方もありますが、現時点では確定した事実ではなく、報道に基づく推測の段階です。

