OCIは、米Oracleが運営するクラウドサービス「Oracle Cloud Infrastructure」の略称です。サーバーなどの計算資源をネット経由で借りられる基盤で、2026年はAI向けの計算資源を大きく増やす発表が続いています。
なお、コンテナの標準仕様を定める団体「Open Container Initiative」も略すとOCIです。この記事ではOracleのクラウドを扱います。
OCIとは:Oracleのクラウド基盤
OCIは、Oracleが自社のデータセンターで提供するクラウドです。報道では「Oracle Cloud」とも呼ばれます。最近の発表では、汎用のサーバーよりもAIの学習や推論に使う計算基盤の話題が中心になっています。
その象徴が、NVIDIAとの協業の拡大です。NVIDIAはAI基盤「NVIDIA Vera Rubin」をOCIに導入し、その規模を複数ギガワット(GW)まで広げると発表しました。計算基盤の規模を台数ではなく、消費電力のギガワットで表す段階に入ったことを示す発表です。
何ができるのか:選べるAI向けチップが増えている
エンジニアから見たOCIの特徴は、GPU以外のチップも選べるようになりつつある点です。
- **NVIDIAのCPU「Vera」**:Veraを単体で使うインスタンスが、マルチギガワット規模の展開の中で使えるようになったと米Tom's Hardwareが報じました。同誌が手元のサーバーで測ったところ、Intel Xeon 6を2基積んだサーバーよりメモリ帯域で大きく上回ったといいます。ただし当サイトでは具体的な測定値を確認できていません。 - **GoogleのTPU**:OracleはGoogleのAI向けプロセッサー「TPU」をOCIに導入し、2027年に提供を始めると報じられています。TPUの世代、提供地域、料金、規模はまだ確認できていません。 - **Oracle AI Workspace**:年次イベント「Oracle AI World 2026」で、OpenAIと連携した「Oracle AI Workspace」が発表されました。機能や提供時期の詳細はまだ確認できていません。
企画・DXの担当者にとっては、AIの用途に合わせてGPU・CPU・TPUを使い分けられる環境が整いつつある、という点が検討材料になります。ただし、TPUを使えるのは2027年からの予定で、今すぐは使えません。
使い方と料金:確認すべきポイント
当サイトの記事では、OCIの申し込み手順や料金表をまだ扱っていません。このため、ここでは具体的な金額を書きません。Vera単体のインスタンスやTPUの料金も、確認できた範囲では明らかになっていません。
導入を検討するときは、次の3点をOracleの公式の料金ページと見積もりツールで確認するのが確実です。
1. 使いたいインスタンス(Vera単体など)が、希望するリージョンで提供されているか 2. 料金の単位(時間課金か、長期契約か) 3. TPUのように「提供予定」の資源は、いつから使えるか
誰が作っていて、競合は何か
開発・運営しているのはOracleです。主要なパートナーには、チップを供給するNVIDIAとGoogle、AI Workspaceで連携するOpenAIがいます。
競合は、一般にAWS(Amazon)、Microsoft Azure、Google Cloudなどの大手クラウドです。注目すべきなのは、競合であるGoogle Cloudの独自チップTPUをOCIに載せる点です。他社クラウドの独自チップを自社のクラウドに入れる形になります。
投資家の目線では、ギガワット級の計算基盤の確保とチップの調達先を増やすことが、OracleがAI向けクラウドでシェアを取りにいく戦略の軸だと読めます。これは公表された事実ではなく、発表の内容から当サイトが推測したものです。



