用語解説 ダイキボゲンゴモデル

大規模言語モデル(LLM)とは

大規模言語モデル(LLM)とは、大量の文章を学習し、次に来る言葉を予測して文章を作るAIモデル。仕組み、使い方、料金の考え方、主な開発企業と国産LLMの動きを、エンジニア・企画担当・投資家向けにまとめた。

大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)とは、膨大な量のテキストを学習し、入力された文章に続く「次の単語(トークン)」を予測して文章を作るAIモデルです。対話型AIサービスの中心にある技術で、質問への回答、要約、翻訳、プログラムのコード生成を1つのモデルでこなせます。

大規模言語モデル(LLM)とは

「大規模」は、パラメータ数(モデル内部の調整値の数)と学習データ量が大きいことを指します。現在主流のLLMは、Transformerと呼ばれるニューラルネットワークの構造を土台にしています。一般的な作り方は2段階で、まず大量の文章で事前学習し、次に人間の指示に従うよう追加学習(ファインチューニング)します。

注意点として、LLMは事実を検索しているわけではなく、もっともらしい文章を確率に基づいて作っています。このため、事実と違う内容をそれらしく出力する「ハルシネーション」が起こります。業務で使うなら、出典の確認や社内データとの照合を最初から仕組みに組み込む必要があります。

何ができるのか・使い方

使い方は大きく3つあります。

- チャット画面で使う:ブラウザやアプリから質問を入力する。導入の手間が最も少ない - APIで組み込む:自社システムからプログラムでモデルを呼び出す。問い合わせ対応、文書の要約・分類、コードレビューの補助などに使う - 自社環境で動かす:重み(モデル本体)が公開されているモデルを自社サーバーで動かす。データを外部に出せない場合の選択肢になる

エンジニアにとって定番の構成はRAG(検索拡張生成)です。社内文書を検索し、その結果をLLMに渡して回答させることで、ハルシネーションを抑えながら社内の知識を使わせられます。企画・DX担当者は、議事録の要約や問い合わせへの回答案づくりなど、決まった形の文書作業から始めると効果を測りやすくなります。

料金の考え方

料金の仕組みは使い方によって変わります。チャットサービスは月額の定額プランが中心です。APIは処理した量(トークン数)に応じた従量課金が一般的で、入力と出力で単価が分かれていることが多く、性能の高いモデルほど単価が上がる傾向にあります。具体的な金額はモデルや提供会社ごとに違い、改定も多いため、各社の公式の料金ページで確認してください。自社環境で動かす場合は、GPUなどの計算資源にかかる費用が主なコストになります。

無料で試せる例もあります。ソフトバンクの子会社は、国産LLM「Sarashina」の無償ベータ版をAPIで提供し始めました(ZDNET Japan報道)。ただし、ベータ版の期間や利用制限、モデルの規模・性能はまだ公表されていません。

誰が作っているのか・競合

LLMの開発では、米国のOpenAI、Google、Anthropic、Metaなどが先行しています。開発には巨大な計算資源と資金が必要なため、担い手は大手IT企業や大型の資金調達をした企業が中心です。提供のしかたは、APIでのみ使える形と、重みを公開する形の2つに分かれています。

日本では、日本語の扱いを強みとする国産LLMの開発が進んでおり、Sarashinaもその一つです。背景には、学習データが英語に偏っているという課題があります。ゲイツ財団も、AIへのアクセス拡大に今後2年間で少なくとも10億米ドルを投じる計画を発表し、英語に偏ったデータの格差を問題に挙げています。

投資家の視点では、性能のほかに、計算資源をどれだけ確保できるか、特定の言語や業界に特化できるか、APIの価格で戦えるかが競争の軸になると当サイトは考えています(これは当サイトの推測です)。

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