GlobalFoundries(グローバルファウンドリーズ、略称GF)は、半導体を設計する企業から注文を受けて、ウエハーを製造する受託製造(ファウンドリ)企業です。自社ブランドの製品は持たず、顧客の設計どおりにチップを作ることが事業の中心です。
GlobalFoundriesとは:成り立ちと位置づけ
GFは2009年にAMDの製造部門が分離して生まれました。アブダビ政府系の投資会社Mubadalaが大株主で、2021年に米Nasdaqへ上場しています(ティッカーはGFS)。製造拠点は米国ニューヨーク州、ドイツのドレスデン、シンガポールなどにあります。
大きな転機は2018年です。GFは7nm世代の開発をやめると発表し、最先端の微細化を競う路線から外れました。それ以降は、FD-SOIの「22FDX」のような、低消費電力・RF(無線)・車載・シリコンフォトニクスといった特定用途向けのプロセスに経営資源を集めています。つまり、性能を極めたプロセッサーではなく、通信・自動車・IoT・データセンター周辺のチップで選ばれるファウンドリです。
使い方:エンジニアはどう関わるのか
GFは、ソフトウェアのように誰でも契約してすぐ使えるサービスではありません。一般的な流れは次のとおりです。まず半導体の設計会社がGFと契約します。次に、GFが提供するPDK(プロセス設計キット)を使ってチップを設計します。その後、試作を経て量産に進みます。試作の段階では、複数社の設計を1枚のウエハーに相乗りさせるMPW(マルチプロジェクトウエハー)を使えば、費用を抑えられます。
事業会社の企画・DX担当者がGFと直接やり取りすることはほとんどありません。自社向けの専用チップ(ASIC)を作る場合は、設計受託会社を通じてGFのプロセスを選ぶのが現実的な関わり方です。
料金:いくらかかるのか
GFは料金表を公開していません。費用は、プロセス世代、ウエハーの枚数、マスクの費用、契約期間などによって、個別の見積もりで決まります。当サイトでも具体的な金額は確認できていないため、ここでは示しません。MPWの費用、マスクの費用、量産時のウエハー単価が別々にかかる、という構造だけ押さえておけば十分です。
競合と最近の動き:投資家向け
主な競合は、ファウンドリ最大手のTSMC、Samsung Foundry、台湾のUMC、中国のSMICです。最先端プロセスはTSMCとSamsungの2社が争っているため、GFは特殊プロセスと地域分散(米国・欧州に工場があること)で差別化している、というのが当サイトの見立てです。
最近の報道は次の2件です。1件目は、日本が最大3.3兆円を投じて米国に半導体工場を2つ建て、その運営をGFが担う計画です(EE Times Japanの見出し)。ただし、日本側の投資の主体、工場の立地、製造する品目、稼働の時期は確認できていません。2件目は、データセンター向け半導体のMarvellと、光技術に関する複数年の開発契約を結んだという報道です(Data Center Dynamics)。対象の製品や金額は明らかになっていません。どちらも、GFが光通信や米国内での生産能力に力を入れていることを示す動きです。

