AMR(Autonomous Mobile Robot、自律移動ロボット)は、工場や倉庫の中で周囲を認識しながら自分で走り、荷物などを運ぶ移動ロボットです。床に貼った磁気テープなどの決まった経路をたどるのではなく、センサーと地図をもとに自分で経路を選んで動きます。
なお、医療分野の「AMR」は薬剤耐性(Antimicrobial Resistance)を指します。この記事では自律移動ロボットを扱います。
AMR とは:AGV との違い
従来の無人搬送車(AGV)は、床のテープや誘導線に沿って決まったルートを走るのが基本です。AMR は搭載したセンサーで周囲を把握し、自分の位置を推定しながら目的地までの経路を組み立てます。前に人や障害物があれば、避けるか止まります。
このため、レイアウトを変えるたびに床の工事をやり直す手間が小さく、人と同じ通路を使う現場に向いています。一方で、決まった区間を往復するだけなら、AGV やコンベヤのほうが単純で済む場合もあります。これは方式の違いからの一般論で、個別製品の優劣ではありません。
何ができるのか・何に使えるのか
主な用途は、工場の工程間で部品や仕掛品を運ぶこと、倉庫で棚と梱包場所の間を往復して作業者の移動を減らすことです。
当サイトで取り上げたオムロンの「LD」シリーズは、工場や倉庫で荷物を自律的に運ぶ搬送ロボットとみられます。米The Robot Reportが次世代機の内部を紹介する記事を載せましたが、どの機能や性能が変わったかは見出しからは分かっていません。
AMR の上にロボットアームを載せて「運ぶ」と「つかむ」を組み合わせる構成もあります。エプソンの6軸協働ロボット「AX6」(可搬重量6kg、リーチ900mm)は軽量設計をうたい、自律移動ロボットに触れた記述があります。ただし手元の情報は途中で切れており、具体的にどう組み合わせられるかは確認できていません。
使い方:導入の一般的な流れ
一般的には次の流れになります。具体的な手順や操作画面は製品ごとに異なります。
1. 走らせるエリアの地図を作る(ロボットを一度走らせて周囲をスキャンする方式が多い) 2. 地図の上で目的地、立ち入り禁止エリア、速度を落とす区間を設定する 3. 搬送を指示する仕組みをつなぐ(専用の管理ソフトや、倉庫管理システムなどの上位システム) 4. 複数台を使うときは、管理ソフトで台数を増やし、交差や待ち合わせを調整する
人と同じ空間で動かすため、導入前に現場ごとのリスクアセスメントが前提になります。
料金・価格
当サイトの参照情報には AMR の価格がありません。オムロンの次世代LDシリーズも、価格と発売時期は見出しからは分かっていません。推測の数字は載せません。
見積もりを取るときは、本体以外に次の費用が別にかかるかを確認してください(一般的な確認点です)。上に載せる棚やコンベヤ、充電設備、管理ソフトのライセンス、既存システムとつなぐ開発、安全対策です。購入のほかにリースなどの提供形態があるかも、メーカーに直接確認してください。
誰が作っているのか:メーカーと競合
当サイトの記事で確認できるのは、オムロンが LD シリーズとして AMR を手がけていることです。エプソンの AX6 は協働ロボットで、AMR そのものではありません。AMR に載せるアーム側の会社と見るのが妥当です(当サイトの見方です)。
投資の観点では、AMR 本体のメーカーだけでなく、上に載せるアーム、運行管理ソフト、センサーの供給元まで含めて競争の構図を見る必要があります。ほかの主要メーカーや市場シェアは参照情報にないため、この記事では扱いません。

