用語解説 がいきれいきゃく

外気冷却とは

外気冷却とは、データセンターの熱を冷凍機に頼らず外の冷たい空気で取り除く冷却方式。直接外気と間接外気の違い、コストの考え方、液冷との関係、高温多湿の熱帯で使いにくい理由を解説する。

外気冷却とは、データセンターなどでサーバーが出す熱を、冷凍機(チラー)や空調の圧縮機に頼らず、外の冷たい空気で取り除く冷却方式です。外気温が低い季節や地域ほど空調の電力を減らせるため、データセンターの省エネ手段として使われています。

外気冷却とは何か

通常の空調は、圧縮機で冷媒を循環させて冷気をつくります。データセンターでは、IT 機器以外の電力のうち大きな部分をこの圧縮機が使います。外気冷却では、外気の温度がサーバーの吸気として許容できる範囲を下回っているあいだ、外気そのもの、または外気で冷やした空気や水を使います。そのぶん圧縮機を止めたり、動かす時間を短くしたりできます。英語では「フリークーリング」「エコノマイザー」と呼ばれます。

効果は PUE(施設全体の電力 ÷ IT 機器の電力)の改善として表れます。どこまで下がるかは、立地の気候と、サーバーの吸気温度をどこまで高く許容するかで決まります。一律の数字はありません。

使い方:直接外気冷却と間接外気冷却

方式は大きく 2 つあります。

直接外気冷却は、フィルターを通した外気をそのままサーバールームに入れ、暖まった空気を外に出す方式です。構造が単純で効率が高い反面、湿度・粉じん・腐食性ガスの影響を受けやすくなります。フィルターの管理や、加湿・除湿の設備が必要です。

間接外気冷却は、熱交換器を挟んで室内の空気と外気を混ぜず、熱だけを外へ移す方式です。外の汚れや湿気を室内に持ち込まない代わりに、熱交換の分だけ効率が落ち、設備も大きくなります。

実際の運用では、外気が条件を満たす時間は外気冷却を使い、暑い時間は機械式の冷却に切り替えるか併用するのが一般的です。外気冷却だけで一年中まかなえるかどうかは立地次第です。

料金・コストの考え方

外気冷却はサービスとして買うものではなく、データセンターの空調設計の選択肢の一つです。そのため「月額いくら」という料金はありません。ダクト・ダンパー・フィルター・熱交換器などの初期投資と、フィルター交換などの保守費を、削減できる空調電力と比べて判断します。削減額は、電力単価と、外気冷却を使える年間の時間数で大きく変わります。事業会社がデータセンターを使う側なら、コロケーションやクラウドを選ぶときに、事業者の冷却方式と PUE を確認することになります。

誰が手がけているか・競合する技術

外気冷却は特定の企業の製品名ではありません。空調メーカー、設備エンジニアリング会社、データセンター事業者が設計し導入する方式です。

競合・補完の関係にあるのは、チラーと空調機を組み合わせた従来の機械式冷却と、液冷(水冷・液浸冷却)です。AI 向けの GPU サーバーは発熱密度が高く、空気で冷やす方式全般に限界が出てきています。ただ、外気冷却と液冷は対立するとは限りません。液冷で集めた熱を外気で捨てる部分に、外気冷却が組み合わされる余地があるとみられます(これは筆者の推測です)。

熱帯では使えるのか

外気冷却が苦手なのは高温多湿の地域です。外気がサーバーの許容温度より高ければ使えず、湿度が高ければ除湿の負担も増えます。当サイトでは、横河電機がシンガポールの熱帯向け AI データセンター実証コンソーシアムに参画し、実証設備の規模拡大を支援すると報じました。この実証で外気冷却を使うのか、横河電機がどの技術を提供するのかは、報道からは分かりません。少なくとも、外気冷却を使いにくい地域で AI データセンターをどう冷やすかが課題になっていることは、この取り組みから読み取れます。

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