用語解説 まほうじょうたい

魔法状態とは

魔法状態とは、誤り訂正を備えた量子コンピュータで汎用的な計算に必要な特殊な量子状態です。製品名ではなく技術用語で、料金もありません。仕組み、使い方、GoogleがWillowで示したエラー約40分の1の実証を解説します。

魔法状態(magic state)とは、誤り訂正を備えた量子コンピュータで汎用的な計算を行うために必要な、特殊な量子状態です。製品やクラウドサービスの名前ではなく、量子計算の分野で使われる技術用語です。

魔法状態とは:なぜ必要なのか

この節は、当サイトの記事ではなく量子計算の標準的な理論に基づく説明です。

誤り訂正を備えた量子コンピュータでは、Clifford ゲートと呼ばれる種類の操作は比較的実装しやすいものの、それだけでは汎用的な計算ができません。Clifford ゲートだけの回路は、通常のコンピュータでも効率よくシミュレーションできるためです。

汎用的な計算には T ゲートのような非 Clifford ゲートが必要ですが、多くの誤り訂正符号では、これを誤りに強い形で直接実行できません。そこで魔法状態をあらかじめ用意し、回路に取り込んで消費することで、T ゲートに相当する操作を実現します。

この方式では、魔法状態の誤りが計算に持ち込まれます。そのため、品質の高い魔法状態を作ることが実用化に向けた課題の一つになっています。

使い方:エンジニアが知っておくこと

魔法状態は、アプリケーション開発者がライブラリのように呼び出して使うものではなく、量子コンピュータの計算を下支えする低レイヤーの要素です。

誤りの少ない魔法状態を作る手法としては、「培養(magic state cultivation)」があり、後述の Google の実証で使われました。培養の具体的な手順やプログラムからの利用方法は、当サイトの参照記事からは確認できないため、ここでは説明しません。

料金:いくらかかるのか

魔法状態は技術用語であり、それ自体に料金はありません。当サイトの参照記事には、魔法状態の生成を利用できるサービスや価格の情報はありません。

事業会社の企画・DX 担当者にとっては、すぐに導入を検討する対象というより、誤り訂正を備えた量子コンピュータの実用化がどこまで進んだかを測る材料です。具体的な業務への適用例も、参照記事からは確認できません。

Google の実証:誰が作っていて、競合は何か

魔法状態は特定の企業の製品ではなく、「誰が作っているか」は研究開発の担い手として見るのが適切です。当サイトが確認している事例は Google です。

GIGAZINE の報道によると、Google は量子プロセッサ「Willow」上で魔法状態の培養を実証し、量子ビットのエラーを約 40 分の 1 に減らしました。ITmedia NEWS も、Google が魔法状態の生成を実機で効率化し、エラーが 40 分の 1 に減ったと報じています。

ただし、何と比べた 40 分の 1 なのか、実験の規模はどの程度なのかは、参照した抜粋からは分かりません。この数字だけで実用化の時期を判断することはできません。

他社の取り組みや競合関係についても、参照記事には情報がありません。投資判断の材料にするなら、Google の一次発表で比較条件を確認し、他社の研究開発状況も別途調べる必要があります。

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