用語解説 ティーチング

ティーチングとは

ティーチングとは、産業用ロボットに動きや手順を教え込む作業のこと。実機で教える方法、手で動かす方法、PC上で作る方法の違いと費用の見方、安川電機やABBが進める生成AI・AI活用の動きを解説する。

ティーチングとは

ティーチングとは、産業用ロボットに作業の動きや手順を教え込み、記憶させる作業のことです。ロボットは教えられた位置と順序を再生して動くため、溶接、塗装、搬送、組み立てなどの自動化には欠かせません。

教える内容は、アームの通過点の座標、点と点の間の動かし方、速度、周辺機器と信号をやり取りするタイミングなどです。なお、人材育成の分野でも「答えを教える指導法」という意味でこの語が使われますが、この記事で扱うのはロボットのティーチングです。

ティーチングの使い方

代表的な方法は3つあります。

1つ目はオンラインティーチングです。ティーチングペンダントと呼ばれる手持ちの操作盤で実機を動かし、通過点を1点ずつ登録します。実機で確かめながら進められる一方、作業中はロボットを生産に使えません。

2つ目はダイレクトティーチングです。人がアームを手で動かし、その位置や軌跡を記憶させます。直感的に教えられますが、対応する機種に限られます。

3つ目はオフラインティーチングです。PC上のシミュレーターで3Dモデルを使って動作プログラムを作り、実機へ転送します。ラインを止めずに準備できますが、モデルと現場の誤差が出るため、実機での補正が必要になるのが普通です。

ティーチングの料金

ティーチングは製品ではなく作業なので、一律の料金はありません。当サイトで確認できた具体的な価格情報もないため、金額の目安は示しません。

事業会社が見積もりを比べるときは、ロボット本体、ハンドなどの周辺機器、オフライン用ソフト、教示作業の外注費または社内工数、製品変更時の再ティーチングの費用を分けて確認すると、抜け漏れを防げます。特に多品種少量の現場では、製品が変わるたびに教え直しが発生します。この工数が、自動化の採算を左右する要因になります。

生成AIでティーチングはどう変わるか

新しい動きとして、教示作業そのものをAIで置き換える取り組みがあります。日経クロステックの見出しによると、安川電機は生成AIでロボットに作業を指示するフィジカルAIの適用先を、食品工場などへ広げます。ABB Roboticsは、AIを使ったロボットアプリケーションを誰でもトレーニングし、実装し、最適化できる環境を実現したと発表しました。

どちらも確認できているのは見出し水準の情報で、対象の製品、提供時期、価格は分かっていません。専門知識がなくてもロボットを扱えるようにし、導入が難しかった現場へ自動化を広げる狙いがあるというのは、当サイトの推測です。

誰が作っていて、競合は何か

ティーチングの機能は、主にロボットメーカーが自社の機体向けに提供しています。代表的なメーカーには安川電機、ABB、ファナック、KUKAがあります。

投資家の視点では、競合はメーカー同士に限りません。従来の手作業による教示に対し、シミュレーションやAIによる指示が代替手段として競う構図です。今後の競争軸は、教え直しの手間をどこまで減らせるかになると当サイトはみています。これは筆者の見立てであり、市場シェアなどのデータに基づくものではありません。

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