用語解説 マーベル

Marvellとは

Marvell(マーベル・テクノロジー)は、データセンターやネットワーク向けの半導体を設計・販売する米国企業です。製品の中身、エンジニアが採用する方法、料金の考え方、競合を整理しました。Lumentumの買収報道やGlobalFoundriesとの光技術の契約にも触れます。

Marvell(Marvell Technology)は、データセンター・通信ネットワーク・ストレージ向けの半導体を設計して販売する米国の半導体企業です。ソフトウェアやクラウドサービスではありません。個人や企業がアカウントを作って使う製品ではなく、サーバーやネットワーク機器のメーカー、クラウド事業者が自社製品に組み込む「部品」を提供しています。

なお、つづりが近い「Marvel」(米国のコミック・映画ブランド)とは関係のない別の会社です。

Marvellとは:何を作っている会社か

Marvellは工場を持たない「ファブレス」の半導体企業です。チップの設計を自社で行い、製造は外部の受託製造会社に任せています。1995年にSehat Sutardja氏、Weili Dai氏、Pantas Sutardja氏が創業し、米NASDAQに上場しています(ティッカー:MRVL)。

主な製品分野は次のとおりです。

- 光通信向けのDSPなどの電気光学部品(データセンター内の光トランシーバー向け) - 特定の顧客向けに設計するカスタムASIC(AI処理などに使われる) - Ethernetスイッチ、ネットワーク用プロセッサ - ストレージ向けコントローラ

過去にはCavium(2018年)、Inphi(2021年)、Innovium(2021年)を買収し、データセンター向けの事業を広げてきました。

使い方:エンジニアはどう関わるのか

Marvellの製品は、ダウンロードしてすぐ使えるものではありません。機器メーカーが自社のボードや装置を設計する段階でチップを選び、組み込む「デザインイン」という形で採用します。詳しいデータシートや開発キットは、一般的に営業窓口や代理店を通じて提供されます。NDA(秘密保持契約)が条件になる場合もあります。

アプリケーションを作るエンジニアがMarvellの製品を直接さわることは、ほとんどありません。触れるとすれば、クラウドのサーバーやネットワーク機器の中に入った部品として、間接的に使う形になります。

料金:いくらかかるのか

Marvellは、一般向けの価格表を公開する種類のビジネスではありません。チップの価格は、購入する数量や契約の条件によって個別に決まるのが半導体業界の通例です。本記事では具体的な単価を確認できていないため、金額は書きません。

事業会社の企画・DX担当者がMarvellと直接契約することは、まず考えにくいでしょう。現実的な関わり方は、Marvellのチップを搭載したサーバーやネットワーク機器、クラウドサービスを利用することです。

競合と最近の動き:投資家が見るポイント

カスタムASIC、Ethernetスイッチ、光通信部品のいずれの分野でも、主な競合はBroadcomです。AIデータセンターのネットワーク分野では、NVIDIAとも競合します。

当サイトが取り上げた最近の動きは2つあります。

1つ目はLumentumの買収です。TechCrunchによると、MarvellはLumentumを1150億ドルで買収します。この案件は、テック業界で最大級の買収の一つとされています。ただし、完了時期、支払いの方法(現金か株式か)、規制当局の審査の見通しは確認できていません。

2つ目は光技術の開発契約です。Data Center Dynamicsによると、MarvellはGlobalFoundriesと、光技術に関する複数年の開発契約を結びました。対象の製品、金額、時期は分かっていません。

この2つから、Marvellがデータセンター向けの光技術を強化しようとしていることが読み取れます。ただし、これは筆者の推測です。

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