CDU(Coolant Distribution Unit、冷却液分配装置)は、データセンターを液体で冷やすときに、サーバーへ送る冷却液を循環させて制御する装置です。建物側の冷却水とサーバー側の冷却液のあいだで熱を受け渡し、温度・流量・圧力を一定に保ちます。
なお、ドイツの政党「キリスト教民主同盟」も略称は CDU ですが、この記事ではデータセンターの機器としての CDU を扱います。
CDU とは:液冷の中心になる装置
AI 向けの GPU サーバーは発熱が大きく、空気だけでは冷やしきれない場面が増えています。そこで、CPU や GPU にコールドプレート(中を冷却液が流れる金属板)を直接当て、熱を液体で運び出す方式が広がっています。
この方式では、冷却液の回路を 2 つに分けます。コールドプレートを通る回路が二次側、建物の冷却設備につながる回路が一次側です。CDU はこの 2 つのあいだに置かれ、熱交換器で熱だけを受け渡します。中身は一般に、熱交換器、ポンプ、フィルター、センサー、制御装置です。回路を分けておくと、サーバー側の冷却液の水質や圧力を管理しやすくなります。
何ができるのか・使い方
エンジニアから見た主な機能は次の 3 つです。
- 冷却液の温度・流量・圧力を監視し、ポンプや弁で調整する - 漏れや異常を見つけて警報を出す - マニホールド(分岐配管)を通じて、複数のラックへ冷却液を配る
置き方は大きく 2 通りあります。ラックの中に収める小型のもの(インラック型)と、ラック列の脇や床に置いて複数ラックをまとめて受け持つ大型のもの(インロー型・床置き型)です。建物に冷却水の設備がない場合は、液体の熱を空気へ逃がすタイプもあります。
選ぶときの主な判断材料は、受け持つラック全体の発熱量(必要な冷却能力は kW から MW 単位まで幅があります)、一次側の水温の条件、冗長構成が必要かどうか、の 3 点です。
料金:公開価格は見当たらない
当サイトで確認できた範囲では、CDU の価格は公開されていません。冷却能力や冗長性、工事の規模で金額が大きく変わるため、個別見積もりが基本の製品だと考えられます(推測)。
企画・DX の担当者が導入を検討する場合は、本体価格だけで比べないでください。配管工事、建物側の冷却水設備、保守費まで含めた総額で比較する必要があります。
誰が作っているのか:参入企業と競合
当サイトが報じた動きは次の 2 つです。
- **Cooler Master**:PC 用の冷却機器で知られる同社が、OCP 2026 でコールドプレートから 2.5MW 規模の CDU まで、液冷製品の展開を披露しました(Data Center Frontier の報道)。各製品の仕様・価格・提供時期・採用先は分かっていません。 - **三菱電機**:小型の CDU を含む、データセンター向けの冷却・電源ソリューションを展示しました(クラウド Watch の報道)。冷却能力や大きさ、発売時期は分かっていません。
このほか、Vertiv、Schneider Electric、CoolIT Systems など、データセンター設備や液冷を専門とするメーカーも CDU を手がけています(当サイトの記事以外からの一般的な情報です)。PC 冷却の会社や総合電機メーカーまで参入していることから、AI サーバーの発熱が増えるなかで、CDU は競争が激しくなりつつある市場だと見られます(推測)。

