用語解説 エージェントエーアイ

エージェントAIとは

エージェントAIとは、目標を与えると自分で手順を組み立て、ツールや外部システムを操作して仕事を最後まで進めるAIのこと。チャットAIとの違い、使い方、料金の考え方、NVIDIAやTSMC・Synopsysの動きを解説する。

エージェントAIとは、人が与えた目標に向けて、AIが自分で手順を組み立て、検索・社内システム・プログラムなどの外部ツールを操作しながら仕事を最後まで進める仕組みです。質問に一度答えて終わるチャット型の生成AIとは違い、「調べる→判断する→実行する→結果を確かめて次の手を決める」を繰り返して動きます。

チャットAIとの違い

チャットAIが出すのは文章などの「答え」です。エージェントAIは答えに加えて、実際に「操作」もします。一般にエージェントAIは、次の4つの要素で説明されます。

- 計画: 大きな目標を小さな作業に分け、順番を決める - ツール利用: Web検索やAPIの呼び出し、データベースの照会、コードの実行など、外部の仕組みを使う - 記憶: 途中の結果や前の判断を覚えておき、次の作業に使う - 振り返り: 結果を確かめ、失敗したらやり直す

AIが自分で操作する分、誤った操作をしたときの影響もチャットAIより大きくなります。そのため「どこまでの権限を渡すか」が、この技術に特有の設計課題です。

何ができるのか・使い方

エンジニアの視点で見ると、基本の作り方は共通しています。大規模言語モデルに「使ってよいツールの一覧と使い方」を渡し、モデルが選んだツールをプログラム側で実行し、その結果をモデルに返します。これを目標を達成するまでくり返します。

当サイトで報じた事例は次の2件です。

- 半導体設計: TSMCが次世代プロセス「A14」の設計にエージェントAIを取り入れるため、EDA(半導体設計ツール)大手のSynopsysと協業すると報じられました。エージェントAIが設計工程のどこを担うのか、どれほどの効果があるのかは、確認できていません。 - 行政サービス: NVIDIAは、世界各地の都市が同社のフィジカルAIとエージェントAIの技術を使って行政サービスを広げていると公式ブログで紹介しました。どの都市が何を導入したのかは、確認できていません。

企画・DXの担当者が導入するときの進め方として、当サイトは次の順番をすすめます(一般的な設計の考え方で、特定製品の推奨ではありません)。まず手順が決まっている定型業務から始めます。次にAIが触れるシステムと権限を絞ります。そして、送金・削除・外部への送信のように取り消せない操作の前には、人が承認する段階を入れます。

料金

エージェントAIに共通の決まった価格はありません。今回確認した記事にも、価格の情報はありませんでした。

費用の考え方は次のとおりです。基盤となる言語モデルをAPIで使う場合、処理したデータ量に応じた従量課金になることが一般的です。エージェントAIは1つの仕事の中でモデルを何度も呼び出すため、同じ仕事でも、チャットで一度質問するより費用がふくらみやすくなります(これは仕組みから考えた推測で、実際の数字は製品や使い方で大きく変わります)。見積もりでは、1つの仕事が何回の呼び出しで終わるかを試しに測るのが確実です。

誰が作っているのか・競合

当サイトの記事で確認できる主な企業は次のとおりです。

- NVIDIA: エージェントAIの技術を、フィジカルAIとあわせて自治体向けに広げています - Synopsys: EDA大手として、TSMCの最先端設計にエージェントAIを持ち込む立場です

投資家向けに、当サイトの見立て(推測)も示します。競争は大きく2つの層に分かれると考えられます。1つは、汎用の基盤モデルや開発基盤を提供する層です。もう1つは、半導体設計や行政のように業界の業務とデータを押さえ、その中にエージェントを組み込む層です。TSMCとSynopsysの協業は後者の例で、業界の専門ツールを握る企業がエージェントAIを取り込む動きとして注目できます。

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