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三井住友信託銀行、勘定系はホストに残し情報系250超をAWSに集約

三井住友信託銀行は、勘定系システムはオンプレミスのホスト(メインフレーム)に残し、情報系システムはAWSに集約する方針だ。すでに250を超えるシステムがAWSで動いている。2026年以降はAWSと共同で立ち上げた組織「All-Out Cloud Factory」を軸に、クラウドネイティブ化を進める。Oracle ExadataからAmazon Aurora PostgreSQLへの顧客元帳の移行では、4000本を超えるプログラムの変換にAIエージェントのツールを使う。

クラウドのイメージ

三井住友信託銀行は、勘定系システムをオンプレミスのホストに残す一方、それ以外の情報系システムはAWSに集約する方針を取っている。すでに250を超えるシステムがAWSで動いており、同行はAWSを「メインの環境」と位置づける。6月の「AWS Summit Japan」で、執行役員の岡松参次郎氏が戦略を説明した。ITmedia エンタープライズが講演の内容を報じている。

勘定系は、入出金を中心とした処理で業務ロジックを大きく変えることが少ない。このため無理にクラウドへ移さず、他のシステムからAPIで呼び出す構成にしている。ホスト向けの開発言語についても、社内で人材を育てる体制があるため維持できると判断した。AWSの活用は3つの段階を踏んでいる。2017〜2019年の第1段階では、業務アプリを原則AWSに移し、IaaSとして使った。2020〜2025年の第2段階では、Amazon Auroraやコンテナを標準とし、統合顧客管理DBやSWIFT(国際送金のネットワーク)などの基幹システムもクラウドネイティブ化の対象にした。2026年以降の第3段階では、より深い活用を目指す。たとえばAuroraを採用するかどうかも、ACID特性の違いや障害時の復旧の挙動まで理解したうえで決める。

第3段階の推進役が、AWSと共同で設立した組織「All-Out Cloud Factory」だ。「標準化」「プラットフォームエンジニアリング」「データ利活用」を柱に掲げる。代表的な取り組みが、Oracle Exadataで運用してきた顧客元帳などのDB群を、Amazon Aurora PostgreSQLに移すプロジェクトだ。PL/SQLやPro*Cなど4000本を超えるプログラムの変換に、AWS Generative AI Innovation Centerが提供するAmazon Bedrockベースのツールを使い、作業を速めている。もう一つは、資産運用の部門向けの基盤づくりだ。業務部門の担当者が自分でSQLを書き、本番環境にリリースできるようにする。品質とセキュリティは、パイプライン上の自動チェックで担保する。

岡松氏は、AWSを選んだ効果の一つにセキュリティ運用の高度化を挙げた。「Claude Mythos」が登場して以降、オンプレミスでセキュリティパッチを適用しきることが難しくなったと感じているという。クラウドならミドルウェアの運用をAWSに任せられ、自社で担う範囲を絞れる。

すべてを移すか、すべてを残すかではなく、システムの性質に合わせて置き場所を決める。今回の講演は、クラウド移行の判断基準を具体的に示した事例といえる。

出典 — ITmedia エンタープライズ

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