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Salesforce、AIの成果課金を模索。3つの課金方式を併走中

Salesforceが、AIエージェント時代に合わせた課金方式の再設計を進めている。従来のユーザー単位ライセンスに加え、Flex Creditsによる従量課金、さらに解決したケース数などの成果に連動した課金を並行して試している段階だ。同社の副CFOは現状を「不安に満ちたアーキテクチャ」と表現し、従量課金が売上の有意な割合を占めるまでにはあと3〜5年かかるとの見方を示した。ライセンス収入は成長の重しになっているという。

Salesforceが、AI製品をどう課金するかという問題に直面している。年商400億ドルのSaaS大手は先週のDreamforceでAIforceをはじめとするAI製品群を打ち出したが、その裏で価格モデルの作り直しが進む。なお同カンファレンス2日目には7時間超の全世界規模の障害が発生し、大企業の依存度が図らずも示された。

課金モデルを揺さぶるのは技術的な変化だ。AIforceは、Salesforceのデータ、ワークフロー、ビジネスロジックを、SlackやClaudeを含むインターフェース経由で利用できるようにする。座席に座った人間ではなくAIエージェントやAPIが作業するなら、ユーザー数での課金は自然さを失う。

そこで検討されているのが成果連動型の課金だ。CRMアプリケーション担当EVPのBill Patterson氏は今月、投資家向けウェビナーで「顧客がこの技術から実際に得る便益に沿った新しい価格体系」を設計中だと述べた。一例が、AIカスタマーサービスエージェントを解決したケース数に応じて課金する形だ。ただし同氏は、複数の業務領域や製品にまたがるエージェントでは測定可能な単一の成果を特定しにくいことも認めている。そのためバンドル販売や、消費量に応じたFlex Creditsも並行して開発中だ。

背景には収益構造の事情がある。副CFOのMike Spencer氏はDeutsche Bankのカンファレンスで「ライセンスがいま足を引っ張っている。逆風だ」と語り、現状を「さまざまな価格体系と契約枠組みが入り乱れた、不安に満ちたアーキテクチャ」と表現した。試しているのは座席ライセンス、Flex Creditsによる従量、成果連動の3通り。従量課金の売上は顧客が追加クレジットを買う(同社の言う「タンクの給油」)につれ伸びるが、有意な割合を占めるには3〜5年かかると同氏は見る。

契約形態も複層化している。従来の年間コミットに加え、定額で広範なアクセスを提供するAgentic Enterprise License Agreements(AELA)、そしてハイパースケーラーの方式に近い新設のSalesforce Commitがある。後者は、たとえば3年で1000万ドルを使うと約束し、その枠を座席やFlex Creditsに自由に配分する形だ。もっとも成果連動には難所が残る。「測定指標を非常に客観的に定めなければならない。そこが常に課題になる」とSpencer氏は言う。

利用企業側の不確実性も大きい。Gartnerは1月、更新時に定額制のAELAが提供されない可能性があるとして、値上げ幅の制限を交渉するようユーザーに促した(同社は否定)。なおPwCのPreet Takkar氏は、成果連動型が2030年までに大きく広がると見るが「時間はかかる」と述べた。

出典 — The Register

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