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AMD、フィジカルAIにCPU・NPU統合を提案。2035年2000億ドル市場

AMDが8月27・28日に都内で開催したEmbedded Computing Summit 2026で、フィジカルAI戦略を説明した。センサー情報をもとに機器を制御する用途では、認識→推論→決定→行動という制御ループをどれだけ速く回せるかが鍵になる。従来はMCUやMPUに外付けのNPU/GPUを組み合わせる構成が多く、PCI ExpressやSPI経由の通信オーバーヘッドが高速化の妨げになっていた。AMDはCPUとNPUを統合してUnified Memoryを共有する構成でこれを削減できると主張。2035年のフィジカルAI向けチップ市場を2000億ドルと見込む。

AMDは8月27日と28日、都内のホテルでEmbedded Computing Summit(ECS)2026を開催し、フィジカルAI戦略の説明とソリューションの展示を行った。27日はVivadoを使うワークショップのみ、本番の28日は10時開始・17時10分終了で午後は4セッション同時開催、いくつかのセッションでは秘密保持契約の締結が必要という、開発者向けの内容だった。

フィジカルAIとは、AIを利用して物理的な制御を行わせるものを指す。記事が例に挙げるのは、ウクライナ戦争におけるドローンの進化だ。当初は無線による遠隔操作だったが広帯域の電波妨害に遭い、光ファイバーでつなぐ形に移行した。しかしファイバーは切断されれば終わりで、距離にも限界がある。光ファイバー内の光の速度は光速のおおむね3分の2に落ちるため、100kmでおよそ0.5ms、信号の往復で1msの遅延が生じる。1000kmを超えるとこの遅延が操作を困難にし、自律制御に頼らざるを得ない。そこにAIを組み合わせ、迎撃の回避や探知されにくい経路の選択、目標の識別を任せる、という流れになる。

これは一例にすぎないが、センサーからの情報をもとにローカルで制御する機器は非常に多い。AMDは2035年のフィジカルAI向けチップ市場が2000億ドル(TAMの推定額)に達すると見込んでいる。

技術的な焦点は制御ループの速度だ。センサーなどの情報を解析し、次にどう動くべきかを判断し(ここでAIが使われる)、モーターやアクチュエーターを駆動する。このループをどれだけ迅速に回せるかが性能を決める。会場で示されたスライドでは、認識→推論→決定→行動の4段階に分けて整理されていた。

従来のフィジカルAI向けソリューションは、小型のものではMCU、大型ならMPUに、外付けでNPUやGPUを組み合わせる構成が多かった。この構成ではCPUとアクセラレーターの間で頻繁にやり取りが発生し、そのオーバーヘッドが制御ループ高速化の妨げになる。通信経路はPCI Express、MCU向けではSPIなどの低速インターフェース経由の場合もあり、スライドでは"TIME LOST EVERY CYCLE"として毎サイクル失われる時間が示されていた。

これに対してAMDは、NPUとCPUを統合しUnified Memoryを共有するアーキテクチャーをフィジカルAI市場に持ち込むことで、このオーバーヘッドを削減できると主張する。GPUも同じUnified Memoryを共有する構成になる。なお記事の見出しは「Ryzen AI Embedded X100」のリアルタイムAI制御がJetsonの弱点であるCPU性能を突く、としているが、ここで読める範囲はアーキテクチャーの考え方までで、製品ごとの比較には踏み込んでいない。

出典 — ASCII.jp

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