AIエージェント / ASCII.jp /2 分
TypeSafe AIのJev+GPT-6 Astra、マイクラ攻略8分43秒
9月20日、エンジニアのRonak Malde氏が、OpenAIの「GPT-6 Astra」とTypeSafe AIの「Jev」を組み合わせたMinecraftエージェントの実験結果を公開した。空のインベントリから始めて8分43秒でエンダードラゴンを討伐し、モデル利用料は合計1ドル未満(Jevが約0.01ドル、Astraが約0.96ドル)だった。Jevは文章を書くAIではなく、「今どの行動を選ぶべきか」を高速に判断するためのAIで、Astraが上位の計画を、Jevが瞬間の行動選択を担う分業が組まれている。
AIがマインクラフトでエンダードラゴンを倒すまで8分43秒。9月20日、エンジニアのRonak Malde氏が、OpenAIの「GPT-6 Astra」とTypeSafe AIの「Jev」を組み合わせたMinecraftエージェントの実験結果を公開した。コードはオープンソース化された。
実験は、Minecraft Java Edition 1.16.5の新規ワールドを空のインベントリから開始し、ネザー経由でエンドへ移動、ベッドの爆発でエンダードラゴンを倒す。呼び出し回数はJevが131回、Astraが35回。モデル利用料はJevが約0.01ドル、Astraが約0.96ドルで、合計1ドル未満だ。
面白いのは構成だ。Jevは、ChatGPTのように文章を書くためのAIではない。「今どの行動を選ぶべきか」を高速に判断するAIだ。「A、B、Cのどれを選ぶか」「危険か安全か」といった問いに、文章ではなく選択肢やスコアで答える。記事はこれを「言葉の意味が分かる高速なif文」と表現する。開発元TypeSafe AIの創業者兼CEO、Diogo Almeida氏は元OpenAI研究者で、InstructGPTやRLHFなど後のChatGPTにつながる研究に携わった。「AIは会話では賢くなったのに、なぜ仕事の自動化は進んでいないのか」という問題に取り組み、9月15日にJevを公開した。
役割分担はこうだ。Astraが「今は何を達成すべきか」「次にどこへ向かうか」という上位の計画を立て、Jevが現在位置や持ち物、周囲の状況、Astraの設定した目標を受けて、「移動する」「掘る」「拾う」「クラフトする」といった候補からその瞬間の行動を選ぶ。実際の移動や採掘はMinecraft向けボットライブラリ「Mineflayer」が担う。人間の思考をシステム1とシステム2に分ける見方に当てはめれば、Astraがシステム2、Jevがシステム1に近い。実装上も、Astraがバックグラウンドで方針を考えている間、Jevは現在の目標に従って行動を選び続けるので、ゲームが止まらない。
ただし、AIが初見のMinecraftを人間と同条件で攻略した話ではない。難易度はPeaceful、シード値やルートは事前に選定され、既知の座標も使っている。画面を見てキーボードを操作しているのでもなく、Minecraft内部の構造化データを使っている。
それでも実験の意味は小さくない。これまでのAIエージェントは、長期的な計画から「次にどのボタンを押すか」という細かな判断まで一つの大型LLMに任せがちだった。だが、すべての判断に高度な文章生成能力は要らない。Jevは、LLMの計画を現実の操作につなぐ「判断役」として置かれている。約0.01ドル対約0.96ドルというコスト比が、その効き方を示している。
出典 — ASCII.jp
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