半導体 / Tom's Hardware /2 分
PS Audioとナイム、光学ドライブ枯渇で高級CDプレーヤーの生産終了
PCの光学ドライブ需要の消滅が、ハイエンドオーディオの供給網を直撃している。PS AudioのPMG Super Audio CD Transportと、NaimのUniti Star Streaming Amplifierが、必要な光学ハードウェアを供給元が作らなくなったことで生産を終了した。発端は2024年6月、DenonとMarantzを擁するD&M HoldingsがSACD/CD機構の受注終了を通知したことで、各社の駆け込み調達により部品コストは倍増。ドライブは組み立て済みユニットとして供給されるため、他社製への置き換えも容易ではない。
CDやアナログレコードといった物理メディアは、所有したい層に支えられて販売が復調している。ところがその再生機器の側で、供給網が崩れ始めた。一般的なPC向けに光学ドライブを作るメーカーがいなくなった結果、Hi-Fiブランドが必要とする基幹部品が手に入らなくなっているためだ。PS AudioのPMG Super Audio CD Transportと、NaimのUniti Star Streaming Amplifierは、供給元がこれらの機種に必要な光学ハードウェアを製造しなくなったことを理由に、生産を終了した。
代替が利かない理由は、部品の性質にある。PS AudioのCEOであるPaul McGowan氏は「PMGに適したドライブはもう手に入らない」と述べ、自前で光学ディスクリーダーを作ることは同社の能力を超えていると認めている。同社の強みはあくまで電子回路とソフトウェアだ。Naimも同様で、同社は原材料から部品を作るのではなく、部品を組み上げる企業だと社内フォーラムで説明されている。さらにやっかいなのは、光学メディアのリーダーがアセンブリ(組み立て済みユニット)として供給される点だ。別のモデルに載せ替えるには、制御コードの書き直しと筐体内部の機械的な調整が必要になる。Naimは代替の供給元を検討していたものの、統合方法を詰めている間にその代替品も生産を終えてしまった。
PS Audioの問題は2024年6月に始まっている。DenonとMarantzを傘下に持つD&M Holdingsが、SACD/CD機構の受注を翌月末で打ち切ると通知した。PS Audioは期限前に最終発注をかける必要に迫られ、他ブランドも在庫確保に殺到したことでコストは倍増した。この部品を第三者に製造・販売していたのがD&M社だけだったことが背景にあるとみられる。McGowan氏によれば、Marantzは同ドライブの生産を終了しており、PS Audioは同社に残っていた最後の在庫を買い切ったという。
今すぐHi-Fi CDプレーヤーやトランスポートが買えなくなるわけではないが、NaimとPS Audioのこの2機種については新品在庫が尽きている。両社とも修理用の部品は確保しており、既存のユーザーが光学部の故障で機器を失うわけではない。とはいえ、マスマーケットの部品供給が消えると、その上に成り立つニッチな高付加価値製品が数年遅れで崩れるという構図が、はっきり見える事例になった。
出典 — Tom's Hardware
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