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米下院、AIデータセンターに送電網増強費用を負担させる法案を可決

米下院が、AIデータセンターに送電網の増強費用を負担させる連邦基準を定める法案(H.R. 9340)を可決した。1978年の公益事業規制政策法を改正し、100MW以上のデータセンターに増強費用の全額負担を求める内容。背景には、AI需要による電気料金高騰が住民や中小企業を圧迫し、住民の反発が強まっている事情がある。ただし成立には上院と大統領署名が必要で、各州が採用するかは州の判断に委ねられ、最長2年の猶予がある。

米下院が、データセンターに対して自らのための送電網増強費用を負担させる連邦基準を定める法案を可決した。H.R. 9340は1978年制定の公益事業規制政策法(PURPA)を改正するもので、法律として成立した場合、各州の規制当局と非規制の電力会社に対し、可決から2年以内にこの基準の採用を検討するよう求める。

法案は、容量100メガワット以上のデータセンターに対し、その負荷を賄うために必要な発電・送電・配電の増強にかかる「全額かつ増分のコスト」の負担を義務づける。契約を途中で打ち切ったり、電力購入をやめたりした場合も対象に含まれる。この内容は、AIハイパースケーラーや電力会社、州知事に対し自らの電力需要は自ら負担すると約束させたトランプ大統領の「料金支払者保護の誓約(Ratepayer Protection Pledge)」に沿ったものだ。背景には、AIデータセンターの膨大な電力需要が招いた電気料金の高騰があり、住宅利用者や中小企業が負担増に苦しんだことで、いまや多くの米国民が自分たちの地域へのデータセンター建設に反対するに至っている。

州レベルでは先行例がある。オレゴン州は2025年にPOWER法を可決し、20メガワットを超える開発に応分の負担を求める、より厳しい内容を導入した。その結果、データセンター向け電気料金は30%上昇し、住宅向けは1.3%下がったとされる。バージニア州も2026年7月に知事が誓約に署名した後に続き、州の企業委員会がデータセンターに必要な送電インフラの費用負担を求めている。

もっとも、下院を通過したとはいえ、法案が成立するには上院を経て大統領の署名が必要だ。仮に連邦基準が成立しても、実際に採用するかは各州の規制当局の判断に委ねられ、州には最長2年の検討期間がある。そのため、各地で導入されている一時的なデータセンター建設の禁止や猶予措置のほうが、州の規制当局が基準を採用するより前に期限切れになる可能性も指摘されている。

出典 — Tom's Hardware

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