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クラレ、中空糸膜「アクアヴィクサス」で半導体工場の排水再利用に攻勢
クラレは9月14日の記者説明会で、半導体やAIデータセンター向けの注力事業を紹介した。半導体工場の濃厚排水の再利用に向け、中空糸膜モジュール「アクアヴィクサス」を展開する。膜の外側を密、内側を粗くした構造で従来品比約5倍のろ過速度を実現し、約10倍濁った排水もろ過できる。排水からシリコンなど有価物を高純度で回収する用途も検討中だ。同社の中空糸膜製品は半導体向けが売上の6〜7割を占め、2031年まで年平均21%の成長を見込む。

クラレは2026年9月14日、都内で記者説明会を開き、半導体とAIデータセンター分野に向けた注力事業と製品を紹介した。その柱の一つが、半導体工場の排水を再利用するための中空糸膜だ。見出しでは活性炭も掲げているが、本稿では水処理の取り組みを中心に伝える。
半導体製造は大量の水を使う。災害や気候変動による水資源の枯渇に加え、工場が特定地域に集中することで取水源が不足する事態も起きている。工場での水の再利用は進んでいるものの、汚れのひどい「濃厚排水」は処理が難しく、多くが廃棄されてきた。クラレアクア社長の今井公泰氏は、再利用率を高める鍵はこの濃厚排水にあると話す。
クラレが投入するのが中空糸膜モジュール「アクアヴィクサス」だ。一般的な中空糸膜は膜全体の密度が均一だが、同製品は外側を密に、内側を粗くした構造を採る。この密度差によって同社従来品の約5倍のろ過速度を実現し、独自のモジュール構造と合わせて、従来の約10倍濁った排水もろ過できるようになった。
方式にも特徴がある。膜面に対して垂直に水を流す全ろ過方式は、平行に流すクロスフロー方式より消費電力が少ない一方、濁った水には不向きとされてきた。アクアヴィクサスは膜とモジュールの工夫でこの弱点を補い、省エネと処理性能を両立したという。従来の全ろ過方式より薬品処理の工程も大幅に短くできる。
排水中のシリコンなど有価物の回収にも用途を広げる考えだ。遠心分離機と組み合わせるとシリコンを高純度のまま濃縮できる。薬品で沈殿させる従来法では凝集剤のアルミニウムなどが混じり純度が下がっていた。ガリウム、タングステン、銅、ニッケルなども高純度で回収できるとみている。
事業面では、同社の中空糸膜製品の売上の6〜7割を半導体向けが占め、成長率も最も高い。2025年から2031年の販売額は年平均21%の成長を予測する。製品自体は約10年前から展開し、3〜4年前から引き合いが増えた。倉敷事業所の設備は2028年に生産能力の上限に達する見込みで、2029年から増強投資を行う。
出典 — EE Times Japan
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