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SemiAnalysis、DC規制300件超を精査。実際に遅れるのは2.3GWと結論
米国のデータセンター建設がモラトリアム(建設停止措置)で止まっているという論調に対し、SemiAnalysis が300件超の地方規制と州の措置を parcel 単位で突き合わせ、実際に遅延しているのは全米で約2.3GW にとどまると結論づけた。規制区域の内側には約20GW があるが、実際にずれ込むのは1,525MW。同社は2027年の米国データセンター IT 容量を +38GW と予測し、この数字はモラトリアム報道が続いた12カ月間ほとんど動いていないという。

米国のデータセンターをめぐる政治的な圧力は、この2カ月で一気に表面化した。ニューヨーク州はデータセンター向けの環境許認可の発行を停止し、テキサス州は ERCOT の系統接続キューの次段階を一時停止、ペンシルベニア州はデータセンターを迅速審査の対象から外して州の許認可に新たな条件を付け、オレゴン州は州有地でのデータセンター取引を凍結した。地方レベルでは、この1年半で300を超える町・市・郡がデータセンターの停止を議決している。報道だけを追えば、建設ブームは議会と委員会によって一つずつ潰されているように見える。
SemiAnalysis の結論はその逆だ。同社は6,000カ所超のデータセンターについてリアルタイムと過去の衛星画像を追跡するモデルを持っており、2027年に米国で引き渡される IT 容量を +38GW と予測している。2026年の2倍以上だ。うち22GW は建設中、残る16GW の「計画」も多くは資金調達を終え、造成工事に入って立ち上げ工事を待つ段階にあるという。この予測は隔週で更新されながら、直近12カ月でほとんど動いていない。
肝になるのは方法論のほうだ。モラトリアムの「件数」は影響を受ける MW 容量の代理指標として使い物にならない、というのが同社の指摘である。ある規制が予測に影響するのは、その規制が当該プロジェクトに適用され、対象の区画(parcel)をカバーし、かつ開発者がまだ必要としている承認を止める場合に限られる。だから MW 単位の影響を出すには、区画ごと・案件ごとに突き合わせるしかない。規制区域の内側には約20GW が座っているが、実際にスケジュールがずれるのは1,525MW で、その内訳はオハイオ州の AWS キャンパス、ペンシルベニア州の powered land 開発案件、コロラド州の1サイトの3件に集中する。ニューヨーク州の措置は約1.4GW に触れるものの、行政命令に直接起因する意味のある遅延は約0.8GW と見積もっている。
抜け穴も多い。テキサス州ブラウンズビルでモラトリアムが検討されていた際、承認の直前に市と事業者側が対象用地を「非併合(deannex)」して市の管轄外に出したケースが挙げられている。さらに構造的な理由として、すでに着工済み、あるいは許認可を取り終えて着工直前の容量はそもそも射程外だ。これらの措置は新規申請を凍結するもので、既に下りた承認を取り消すものではないため、2026年と2027年の大半はそのまま残る。
テキサス州の系統接続キュー停止についても、ベースロード案件に3〜4カ月の行政遅延を足す一方で、系統を経由しない自家発電(BtM)需要の加速がそれを相殺するとみる。同社は先週時点で75GW 分の BtM 設備の確定発注を数えており、行き先はテキサス州が最も多い。2028年以降は新規容量の半分以上が BtM になるという既存の見立てを、今回の精査はむしろ補強した形だ。ただし同社は、モラトリアムが遅延を引き起こす可能性そのものは否定しておらず、規模と厳しさが一段上がれば話は変わるとしている。
出典 — SemiAnalysis
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