ロボット / Ars Technica /3 分

Agility Robotics、人が近づくとしゃがむ「Digit 5」を公開

Agility Robotics が、人の近くで安全に働くことを前提に設計した初のヒューマノイド「Digit 5」を発表した。人を検知すると自律的に回避したり静止したりし、至近距離まで近づかれた場合はしゃがんで座った姿勢を取る。安全柵で隔離せずに倉庫や自動車工場へ入れられる点が狙いだ。早期アクセスは2027年前半、一般提供は同年末を予定。約23kg を繰り返し持ち上げられ、90分稼働・9分充電で1日20時間以上働ける。

Agility Robotics が、人間の同僚を傷つけるリスクなしに近くで働けるよう設計した初のヒューマノイドロボット「Digit 5」を発表した。こうした安全機能が成立すれば、ロボット専用の作業セルや物理的な隔離柵を用意せずに倉庫や自動車工場へ導入できるようになる。早期アクセスは2027年前半、一般提供は同年末の予定で、オレゴン州セーラムの自社工場 RoboFab を生産向けに改修中だという。

挙動が具体的だ。離れた場所に人を検知すると、避けて動く、あるいはその場に静止して人が通り過ぎるのを待つ、といった予防措置を自律的に取る。人がさらに近づいた場合には、しゃがんで座った姿勢を取ることまで選択できる。同社CTO は、検知した人の存在の仕方に応じて複数の緩和策を取り分ける複雑な安全動作システムを設計したと説明する。従来のように「危険を検知したら全停止、そして再起動」という粒度ではなく、状況に応じて段階的に振る舞いを変えるのがポイントだ。ロボット群のフリート管理システムは、顧客側の既存の職場安全システムとも接続できる。

検知には AI アルゴリズムと複数のオンボードセンサーを使う。センサーの種類は明かされていないが、「いくつかの異なるビジョンベースのセンサー」で構成されるという。演算基盤にはロボットや医療機器向けの Thor IGX を採用しており、同社はこれを機能安全アプリケーションへ通す初期の採用者の一社だとしている。並行して、産業用モバイルロボットの国際安全規格をつくる ISO のワーキンググループにも参加。この規格は現在委員会レビュー段階にあり、最終的に ISO の89の投票権を持つ加盟国による採決にかけられる。

ハードウェアも刷新された。脚部の設計を見直し、50ポンド(約23kg)までの荷物を繰り返し持ち上げられる。これは米OSHA の職場安全規則が定める「1人で持ち上げる作業」をすべてカバーできる水準だ。バッテリーは1充電で90分稼働し、9分で充電が完了する。つまり24時間のうち20時間以上を実作業に充てられる。身長は5フィート11インチ(約180cm)と Digit 4 より高くなり、到達高さは5.5フィートから7.2フィート(約2.2m)へ伸びた。成人が届く棚と同じ高さを扱えるということだ。グリッパーは交換式で、用途に応じてエンドエフェクターを素早く付け替えられる。

業界の文脈で言えば、安全性は米中の各社に共通する「全員のブロッカー」だった。同社は2024年にアトランタの GXO 倉庫でヒューマノイドの常時商用稼働を世界で初めて実現し、以降 Digit シリーズは北米の倉庫や工場で累計65,000時間以上を働いている。GXO、Schaeffler、Amazon、トヨタ自動車のカナダ工場などが試験導入や本番導入を行ってきた。同社はまず今回の「協調的安全(cooperative safety)」を商用現場で実証し、その先に人とロボットが至近距離で直接共同作業する「協働的安全(collaborative safety)」を置いている。

出典 — Ars Technica

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