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日経クロステック、メガバンクのリテール部門で生成AIの代替効果を試算

日経クロステックが、書籍『AIエージェント革命 「知能」を雇う時代へ』からの抜粋として、メガバンク3社の財務諸表をもとに生成AIの経営インパクトを試算する記事を公開した。3社平均の業務粗利益は約1兆8900億円、経費は約1兆500億円で、うち人件費が約4400億円(41.6%)。平均2万4783人の従業員のうち約50%にあたる1万2115人がリテール部門に配置されており、ここを試算の起点に置いている。

日経クロステックの特集連載が、書籍『AIエージェント革命 「知能」を雇う時代へ』(日経BP、2025年6月16日発行)からの抜粋として、生成AI の導入が企業の財務にどう効くのかを具体的な数字で追う回を公開した。題材は、前回の記事で「生成AI の影響を大きく受ける」業界の1つとして挙げた金融業界だ。

前提として押さえておくべきなのは、記事が現状認識として置いている一文だ。人間の介入をまったく必要とせず、会社としての意思決定まで担う「完全自律型」のAIエージェントを導入している企業は、現時点ではほとんど見られない。一方で、生成AI が一部のタスクやタスク群を代替・支援している事例は日増しに増えている。そこで記事は AIエージェントに限定せず、生成AI 全体のビジネスインパクトを実際の財務諸表から推し量るアプローチを取る。

使ったのはメガバンク3社が公表している2023年度の決算短信と有価証券報告書で、分析はシグマクシスによる。3社平均の業務粗利益(資金利益、役務取引等利益、特定取引利益、その他業務利益の合計で、一般企業の売上総利益に相当する)は約1兆8900億円。そこから約1兆500億円が経費として差し引かれ、一般貸倒引当金や臨時損益を考慮した経常利益が約8600億円となる。

経費約1兆500億円の内訳は、人件費が約4400億円(41.6%)、物件費が約5600億円(53.4%)、税金が約500億円(5%)。人員は3社平均で2万4783人、うち臨時従業員が平均6658人を占める。部署別では、銀行によって名称は異なるものの、どの行も全体の約50%にあたる1万2115人をリテール部門に配置しており、臨時従業員も約5310人と高い比率でリテールに集まっている。

この積み上げ方には意味がある。生成AI の効果を「生産性が何%上がる」といった抽象的な比率で語ると、経営の意思決定には接続しない。人件費4400億円のうち、リテール部門にどれだけ乗っているか、その中で臨時従業員が担っている定型業務がどれだけあるか、という順に分解して初めて「社員何人分」という単位に落ちる。なお、記事の公開部分で確認できるのはここまでの前提数値で、実際に何人分と結論づけたかの数字は本文中には示されていない。

出典 — 日経クロステック

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