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フィラデルフィアでAIデータセンター反対運動。旧製油所跡地に住民が反発

米国各地でAIデータセンターの建設に住民の反発が広がっている。TechCrunchは、2019年に閉鎖された東海岸最大級の製油所の隣で育ったフィラデルフィアの住民らが、市に対しデータセンターのモラトリアム(一時停止)を求めている状況を報じた。市は建設候補地2カ所を特定済みで、正式な建設提案はまだないが、月曜のキックオフ集会には100人以上が集まった。ニューヨーク州では知事が大型案件の新規許可を停止する行政命令に署名するなど、行政側の対応も出始めている。

米国各地で、AIデータセンターが自分の地域に建設されたら生活がどう変わるのかという議論が起きている。事業者とその顧客は新たな雇用と経済成長を約束するが、環境やエネルギーへの懸念からその説明を受け入れない住民は少なくない。なかでも反発が速いのは、重工業の傷跡がいまも残る街だ。

フィラデルフィア南西部グレイズフェリー地区で生まれ育った活動家ショーマー・ピッツ氏は、2019年に閉鎖された東海岸最大級の製油所の隣で暮らしてきた。友人や家族の多くが慢性疾患を抱えていたが、原因を意識したのは2018年、環境正義団体Philly Thriveが近隣で製油所拡張案について説明していたときだったという。「配られた紙の病名を見て、母がこれ、姉がこれ、隣の家の人がこれ、と気づいた」。現在はその団体の共同ディレクターとして、市にデータセンターのモラトリアムを求める運動を率いる。市内ではまだ正式な建設提案は出ていないが、市当局は候補地2カ所(北東部とグレイズフェリー地区)を特定している。月曜に市庁舎前で開かれた「No Data Centers in Philly」のキックオフ集会には100人以上が集まった。

争点は環境負荷とインフラの奪い合いだ。かつて日量最大33万5000バレルの原油を処理していたPhiladelphia Energy Solutionsの製油所ほどの影響はないにせよ、規模は小さくない。BloombergNEFは2035年までに米国のデータセンターの電力消費がドイツと日本の合計を上回ると予測しており、9カ月前の同社予測のほぼ倍の数字だ。天然ガスは石油より清浄とはいえ無害ではなく、データセンターの追加需要により1日あたり100万トンの温室効果ガスが追加で排出されると見込まれる。現在の米国の温室効果ガス排出量の約12%に相当する規模だ。Clean Air Councilの弁護士アニー・フォックス氏は集会で、ペンシルベニア州で計画される典型的なデータセンターには大気汚染物質を排出するディーゼルエンジンが数百基あり、非常用とされていても熱波時には逼迫した電力網ではなくそれを使うよう政府がすでに求めていると指摘した。

住民の懸念は環境だけではない。集会に参加した市民は「汚染も心配だが、監視も心配だ。地域が必要とする水や電気を奪われることも不安だ」と語った。行政側も動き始めた。ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は大型案件の新規許可を停止する行政命令に署名し、「進歩が高い光熱費や水源の枯渇、騒音とともに来るべきではない。データセンターは、それを望む場所にのみ建てられるべきだ」と述べた。米国の複数の都市でもモラトリアムが承認されており、その多くは建設の影響について市当局が情報を集めるための時間稼ぎという性格を持つ。AIインフラ投資が加速する一方で、立地の合意形成が律速段階になりつつあることを示す動きだ。

出典 — TechCrunch

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